16:
◯消防局総務課長 平成5年以降の所属につきましては、平成8年までは
宮城野消防署、平成8年から平成12年までは
若林消防署、平成12年から平成16年までは
青葉消防署、平成16年4月からは
太白消防署の勤務となっておりまして、いずれも
ポンプ隊員として警防業務を担当しておりました。
17:
◯斎藤範夫委員 今、
ポンプ隊員とおっしゃいましたか。そうすると、この職員は消防車、ポンプ車を運転しておったこともあるわけですね。つまり薬物を乱用しながらポンプ車を運転していたという可能性を否定できないわけですね。いかがでしょう。
18:
◯消防局総務課長 そのとおりでございます。
19:
◯斎藤範夫委員 大変恐ろしいことでありますね。この間、平成5年以降、泉を除く各区の消防署においてポンプ車を運転していたということですから、大変恐ろしいことであります。
ところで、平成14年の不祥事を受けて、一体消防局としてどのような対策を講じてきたんでありましょうか、お尋ねをいたします。
20:
◯消防局総務課長 覚せい剤という禁止薬物に係る不祥事という重大性にかんがみまして、直ちに通達を出しまして、綱紀の粛正について全職員に周知をいたしました。さらに、不祥事の再発防止に向けて仙台市
消防局服務倫理委員会を設置するとともに、当委員会の検討結果を踏まえまして、
服務倫理研修会の開催や所属単位での
再発防止対策の検討を行うなど、
公務員倫理に基づいた服務規律の確保に努めたところでございます。
21:
◯斎藤範夫委員 服務規律の確保ということでいろいろやったんだということのようでありますけれども、残念ながら今回逮捕された職員には余り効き目がなかったと。そんなことは大したことないと思ったんでしょうね。あるいは薬物による依存性というものがありますので、一回手を染めるとなかなかやめられないというようなこともあったんでしょうけれども、消防局のいろいろな取り組みに対して余り効果を上げてこなかったのではないかという気がするわけですね。気がするというより、結果として効果が上がっていなかったと言わざるを得ないのかなというふうに思います。
ところで、今回の不祥事、平成18年の不祥事ですけれども、これを受けて消防局として新たにどういう対策を講じたんでありましょうか。平成14年以降やってきたことに加えて、今回の不祥事を受けて新たに講じた対策というのはどういうものがあるんでしょうか、お尋ねをします。
22:
◯消防局総務課長 今回の不祥事を厳粛に受けとめまして、当日には緊急の幹部会議を開催し、さらには消防局長以下幹部職員が各職場を巡視して直接訓示を行うなど緊急な対応をそれぞれ講じたほか、人事院によります研修会を実施するなど、不祥事の防止策と
服務倫理等について職員一人一人に浸透を図ったところであります。
また、実効性のある新たな取り組みといたしまして、
警察関係者によります研修会を開催したほか、一般職員を委員とするよりよい
職場づくり推進委員会を立ち上げ、職員一人一人が再発防止についてみずから考えることに主眼を置いた対策を実施しているところでございます。
さらに、今年度から主任職以下のすべての職員を対象として個別の面談を行い、日常から
消防職員としての規範の確保を指導していくこととしております。
23:
◯斎藤範夫委員 今の御説明で今回の事件を受けて手がけたこと、あるいはやった対策をすべて述べられているのかなというふうに思ったんですけれども、つまり新たに平成14年からやってきたことはわかるんですよ。服務規律の確保というようなことでいろいろやってきたと。それが余り効果が上がっていないわけだから、平成18年の事件を受けて、しからば新たにどういうことを講じたんですかと聞いたわけです。御説明は、結局やったことを全部述べられたと思うんですけれども、今、お聞きして、二つほど新しいのかなと思ったんですけれども、一つはよりよい
職場づくり推進委員会がどうのこうのとおっしゃいました。それから二つ目に、個別面談をこれからやっていくんだという話がございました。この二つがこれまでにない新たな対策なのかなと思ったんですが、その辺いかがでしょうか。
24:
◯消防局総務課長 先ほども御答弁申し上げましたが、これまでにない
警察関係者による研修会を開催したものと、よりよい
職場づくり委員会、そして個別面談というふうな三つになります。
25:
◯斎藤範夫委員 それでは三つだということなのでお尋ねしますけれども、
警察関係者による研修会、何となくわかるのでパスしまして、二つ目のよりよい
職場づくり推進委員会による
取り組み対策、この辺もう少し詳しく御説明をいただけないでしょうか。
26:
◯消防局総務課長 よりよい
職場づくり委員会は、各階層、各年齢からバランスよく各委員のメンバーを選びまして、すべての職員が一人一人で考えるということを念頭に置きまして開催をしているものでございます。これにつきましては現在3回ほど
検討委員会を開催しておりまして、10月中には
ルールブック、小冊子をつくりまして、11月、本年中にはその冊子を各職場に配置されている委員から直接職員一人一人に手渡したいというふうに考えております。
27:
◯斎藤範夫委員 年内中に取りまとめをすると。それを小冊子にまとめて職場に配布し、各職員に徹底するというか、見てもらうということなんだけれども、それはそれだけですか。そこでいろいろな具体的な提案があって、仙台市消防局としてそれはそのとおりだと、採用しようというようなことで具体的に実施するとか、せっかく
推進委員会で検討をしてもらって、その提案を消防局として取り入れてやっていくんだというものはないんですか。あくまで職員任せの話なんですか。
28:
◯消防局総務部長 よりよい
職場づくり推進委員会での検討でございますけれども、この委員会におきましては目的としては二つ大きく掲げてございまして、一つは今申し上げました小冊子をつくるということがあります。それともう一つにつきましては、職場の職員一人一人がみずから考えるという検討過程と申しましょうか、そういったものを一つの目的にしておりまして、今回のよりよい
職場づくり推進委員会におきましてはそれぞれ各職場、係単位、
出張所単位、あるいは課長職、係長職、それぞれの職域を単位といたしまして、再発防止に必要な検討項目について職員一人一人全員参加のもとでそれぞれの職場あるいは職域で検討していただきまして、その結果を凝縮したものを冊子として取りまとめるということにしております。そういったことで、今回のよりよい
職場づくり推進委員会におきましては、一人一人がみずから考えるということに重点を置くということと、冊子をつくり上げるということで再発防止を図ってまいりたいというようなことで検討しているところでございます。
29:
◯斎藤範夫委員 新たに行う対策の三つ目として、個別面談を実施していくということなんですが、これは職員一人一人に対して個別面談を実施するということなんでしょうけれども、そこでちょっとお聞きしたいんですが、消防局の勤務体制というのが非常に複雑ですよね。中には一回勤務するとその後3日も4日も休みになるとか……、4日は休みはないですかね、3日ぐらいお休みになると。そして、
リフレッシュも大事でありますけれども、
リフレッシュをされたり、ボランティアされる方もいるでしょう。あるいはいろいろ旅行する方もいるんでしょうけれども、例えば今回の事件は、たしか
サーフィン仲間からそういう大麻だとか覚せい剤を入手したというようなことと言われていますよね。休みの日にいろいろな
リフレッシュのための遊びなどをされていると思うんですけれども、それに対して私のところにも、消防局というのはいいところだなというような話も聞こえてまいりますけれども、職員の勤務体制というのは実際のところどういうふうになっているんでしょうか。
30:
◯消防局総務課長 消防は、24時間勤務の2交替制というふうな勤務体制を採用しております。
31:
◯斎藤範夫委員 そうすると、そうではないかとは思うんですけれども、さらに、今、申し上げたように当番、非番とかございますよね。あるいは公休というんでしょうか週休というんでしょうか、そのシステム、流れ。例えば1週間単位でやっているとか何週間単位で勤務が交代されるのか。一般的な勤務体制を御説明いただけませんか。
32:
◯消防局総務課長 28日を
ワンサイクルとしまして、4週8休制を採用しております。
33:
◯斎藤範夫委員 4週8休制というのは、例えばどういうサイクルなんですか。当番、非番、何とかかんとか。お願いします。
34:
◯消防局総務部長 24時間
交替制勤務の具体の内容でございますけれども、朝の8時半から翌朝の8時半まで24時間を一つの
勤務サイクルということで、それが一つの当務ということになってございまして、朝の8時半の勤務明けということになりますと、次の朝の8時半まで非番ということになりまして、24時間の勤務時間のサイクルが2回あるいは3回ごとにそれぞれ週休というようなことになりまして、したがいまして2当務あるいは3当務勤務した時点で、具体には明け番、それと週休、週休ということで、明け番と週休2日を合わせますと3日の休みの時間が生じるというようなことの勤務体系になってございます。
35:
◯斎藤範夫委員 そうすると24時間勤務した後は、1日あく場合もあるいは2日あく場合もあると。24時間勤務して、その後2日間お休みというケースもあるということですね。だからその間に本当に大変な勤務だから、その後の
リフレッシュというのは大事だと思います。そこでサーフィンやったりいろいろやったりするんでしょうけれども、例えば今回の事件などというのは、先ほど総務課長、今回の事件の当事者は薬物を乱用してポンプ車を運転した可能性は否定できないとおっしゃいましたけれども、実際問題として職場で薬物を乱用したわけではないでしょうから、結局非番なり休みの日に薬物乱用ということを行っていたと思われるんですけれども、その辺は消防局としては、職場でもやったというふうに認定しているんですか。
36:
◯消防局総務課長 職場では薬物の乱用はやっておりません。
37:
◯斎藤範夫委員 当然といえば当たり前のことですけれども、そういうことであったら大変なことであります。いわゆる休みの日にそういう薬物乱用をやっていたということだと思うんですね。
先ほどの個別面談の話に戻したいと思うんですけれども、だから
消防局特有の勤務体制に今回の不祥事というのも若干関係しているんじゃないかなと思うんですね。勤務体制がこうだから薬物に手を染めたということじゃないですよ。結局、勤務の後の休み、そしてまた週休というようなこと、そういう間にどんなことをやってもいいわけでしょう。こういう休みの日というのは何かに努めなければならないという服務規程でもあるんですか。いかがですか。
38:
◯消防局総務課長 そういう規程はございません。
39:
◯斎藤範夫委員 だから、そういう休みの日なりに、大人として法律を犯したりあるいは非道徳的なことをしなければいいんだという、これまではそういうことであったわけですけれども、4年前にも起きて、また今回も起きたということで、大変市民の信頼を失う事件であるというふうに私は考えるんですけれども、しからば、私的なお休みの日でありますけれども、これまではなかなかそういうところまでは指導していなかったと思うんですけれども、これからはそういうところも個別面談などを通して指導していく必要があるじゃないかと思うんですが、いかがですか。そこまでは必要ないですか。
40:
◯消防局総務課長 今回の事件も4年前の事件につきましても、実際に起きたのはプライベートな場面で起きております。そういった面で、
消防職員の特有の勤務形態に伴います時間の使い方というんでしょうか、そういったものは今回の再発防止を考える上で非常に重要な要素になるんじゃないかというふうに考えております。
したがいまして、今回、新たな対策といたしまして個別面談という手法をとりまして、職員の私生活の部分にまで監督の目を及ぼすということでの取り組みを行っているわけですけれども、今後につきましても今回の結果を踏まえまして、生活指導あるいは時間の過ごし方というんでしょうか、そういった面についても十分に取り組んでいく必要があるんじゃないかというふうに考えております。
41:
◯斎藤範夫委員 消防局の職員、消防士の方々は、大多数は地域においてもいろいろな活動をされておりますし、地域において必要な人材でもございます。そういう方々に対して改めてというのもいかがかとは思うけれども、でも実際にこういう事件が続けて起きてまいりますと、今の答弁にあったように生活面まで指導しなければならないのかなと、私もそのように認識をするところであります。ぜひそれは取り組んでいただきたいというふうに思いますが、今回の不祥事というのが、何度も申し上げていますように平成5年ごろから大麻なり、あるいは平成8年から覚せい剤に手を染めてきたと。その間、プライベートな時間にやったからといって許されるものではありませんし、いつ
フラッシュバックが起きて、消防車を運転中に事故に至るかもわからないわけでありますから、この辺、振り返ってみて問題だったんじゃないかというふうに思うんですね。
ところで、今回の平成18年の不祥事に対する処分、もちろん職員本人は
懲戒免職処分になっているわけですけれども、
管理監督責任というものに対してはどのような対応をなされたんでしょうか。
42:
◯消防局総務部長 今回の不祥事に伴いましての
管理監督者に対する処分でございますけれども、勤務日以外の
管理監督者の責任の及ぶ範囲外で発生したものではございますけれども、事の重大性にかんがみまして、関係する
管理監督者に対しまして厳重注意の措置を行ったところでございます。
43:
◯斎藤範夫委員 単純に、裁判の過程で明らかになったように平成5年からやってきたわけですから、その当時の
管理監督責任というのは問われないわけですか。
44:
◯消防局総務部長 今回の
管理監督者に対する処分の内容でございますけれども、事件として立件されました今年2月当時の
管理監督者に対するものと、それから本年度以降の本人が所属している
管理監督者に対する処分ということにしております。
45:
◯斎藤範夫委員 処分についてはわかりました。
最後になりますけれども、大多数の
消防局職員は非常に私たち市民のために日夜働いていただいているわけですけれども、消防局長にお尋ねしたいんですが、かかるこのような事態をどのようにお考えになられているのか。そして、失われた市民の信頼をどのようにして回復していこうとしているのか。その辺の御決意を伺いたいんですが。
46:
◯消防局長 消防局におきましては、これまでも市民の生命、財産を守る
消防職員として必要な規範を保持するためにさまざまな取り組みを進めてまいったところでございます。しかしながら、今回、禁止薬物による不祥事が発生しましたことはまことに残念でございまして、痛恨の念にたえない次第でございます。
現在、先ほどるる申し上げましたようなより実効性のある
再発防止対策に取り組んでいるところではございますが、二度とこのような不祥事が起きませんよう、より一層の綱紀粛正に努めまして、
消防職員一丸となって市民の信頼回復に全力で取り組んでまいる所存でございます。
47:
◯斎藤範夫委員 最後にというか、京都市において、ことし4月以降8人の逮捕者が出ているということが報道されておりました。京都市においては信頼回復と再生のための抜本改革を行うというようなことで、不祥事の根絶に向けてさまざまな対策を市を挙げて取り組んでいるようであります。
本市においては、そういう事態まで至っておりませんけれども、消防局の取り組みを消防局長が力強くおっしゃっておりました。この取り組みをぜひ実現していただいて、二度と不祥事が三度、四度と起きないように努めていただきたいということを御期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
48: ◯委員長 質疑者、質疑でよろしかったでしょうか、今の件は。
49:
◯斎藤範夫委員 改めて、本市のこういう事態を受けて、市長としてどのようなお考え、お気持ち、対策があるのかお聞かせをいただきたいと思います。
50: ◯市長 私からもお答え申し上げます。
消防局におけるこのたびの不祥事、大変遺憾に思っている次第でございます。先ほど消防局長から答弁いたしましたとおり、二度とこういった不祥事が起きないように綱紀の粛正に努めてまいる所存でございます。そのことにより、市民の皆様の信頼の回復に全力を挙げたいと思う次第でございます。
それにつけても思いますのは、消防局におきましてもこのような事案が生じたこと。いわゆる違法薬物の問題というのが私たちの地域社会の相当深いところまで進行しているという事実に改めて危機感を深めるわけでございます。
御案内のようにこういった違法薬物、大麻ですとか覚せい剤、原料の製造から精製、そして販売、密輸を含めまして、そういった取引の各側面において、いろいろな手だてを警察当局などが中心となって講じていかなければならないわけでございますが、当然のことながら近隣諸国からのいろいろな密輸ですとか、
グローバル社会あるいは一体化した国際社会の裏の現実として、私たちが市民の皆様とともに自覚しなければならない厳しい現実があるということであると思います。そのためにこそ安全・安心を目指した
地域社会づくり、これを関係各機関と相協力して進めていく必要性を改めて感じたところでございます。
51: ◯委員長 それでは次に、みらい仙台から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔
西澤啓文委員、質疑席に着席〕
52: ◯委員長 発言を願います。
53:
◯西澤啓文委員 私からはまず初めに、先般9月26日の地元紙だったと思いますけれども、9月25日ですが、
東北大学病院の
高度救命センターの方に仙台市のヘリが訓練ということで派遣をされたと。泉ケ岳で男性の転落事故があってというような想定のもとでそういう対応をされてきたというお話を見ましたのが一つと、あとは昨日の朝刊にも、
ドクターヘリの関係で大崎市の方で云々という話が出ておりましたけれども、最近
ヘリコプターに関するさまざまな記事を見ておりまして、それに関連するお話なんでございますが、お伺いさせていただきたいとまず思っております。
まず初めに、昨年から現在までといいますか、
消防ヘリコプターによるけが人や病人などの搬送実績というのはどうなっているのかお示しください。
54: ◯救急課長 昨年から現在までの
消防ヘリコプターによります救急搬送の総出場件数は33件となっておりまして、内訳といたしましては、市内で発生した事故や急病に出場しまして医療機関に搬送したものが21件、それから市内の医療機関から市外の医療機関に転院搬送したもの、これが8件、市外の医療機関から市内の医療機関に転院搬送したものが2件、市外で発生した急病に出場して市外の医療機関に搬送したものが2件ということになってございます。
55:
◯西澤啓文委員 今、お伺いした中で、仙台市域内だけではなくて市外にも出ておられるケースがあるようでございますけれども、お伺いしたいのは、
ヘリコプターが本市以外に出たとき等が主眼になるんですけれども、運行した費用の負担に何か決まり事があるのかどうかお伺いしたいんですけれども。
56: ◯救急課長 費用負担のルールについてですけれども、消防組織法に基づきまして、市町村の消防に要する経費は当該市町村がこれを負担しなければならないという規定がございまして、
消防ヘリコプターによる救急搬送を含めまして、消防に要する経費というものは災害が発生した市町村の負担ということにされております。こうしたことから、県内の他の市町村で発生した災害に出場した場合、県内の航空応援協定に基づきまして、要請先の市町村に対しましてヘリの燃料それから隊員の手当などを応援に要した経費ということで負担をしていただいているという状況にございます。
57:
◯西澤啓文委員 そうしますと、何か一つ例を挙げていただけるとありがたいんですが、例えばもし県内、この辺でしたら気仙沼とかその辺に行ったというようなケースがあったときに、実際にどのぐらい気仙沼市の方に御負担していただくことになるのか教えていただけますか。
58: ◯救急課長 費用負担の額につきまして、実例を申し上げますと、気仙沼市内から仙台市内の医療機関へ消防ヘリで患者さんを搬送したケースでは4万数千円ほどの負担をいただいているという状況でございます。
59:
◯西澤啓文委員 そうすると、本市から逆に搬送した場合等は同じような、例えばその先の部分とかというのが、市域を出たところが先とかというのは負担してもらうということはあり得るんですか。
60: ◯救急課長 仙台市内において生じました傷病者を搬送する場合につきましては、搬送先が市内、市外にかかわらず、仙台市、本市の消防責任に基づいて行う業務ということになりますので、その費用は本市の負担ということになります。
61:
◯西澤啓文委員 もう一つお伺いします。搬送される方が、例えば今のケースの場合ですけれども、仙台市民である場合と仙台市民でない場合とかも同じ扱いという、発生地ということがありましたので、そういう扱いになるんでしょうか。
62: ◯救急課長 搬送の対象にかかわらず、あくまでも救急事案が発生した市町村に消防責任が生じるということでございます。
63:
◯西澤啓文委員 なぜ、こんなお話を伺ったかというと、この後、救急車もさまざまお聞きしたいと思っているんですけれども、初めに、救急車も同じような考え方なんでしょうか。発生地とか云々という、こういうものが同じように適用されるのかどうか教えてください。
64: ◯救急課長 救急車についても同じでございます。
65:
◯西澤啓文委員 ということであれば、逆に最近出た有料化の問題について自分もお伺いしたなと思ったものですからお伺いしておるわけなんですけれども、そうしましたら救急車において、昨年度の出動回数とか1日当たりの出動回数というのをあわせて教えていただきたいと思います。
66: ◯救急課長 平成17年の救急出場件数は3万9193件でございまして、1日当たりに換算しますと平均107件の出場となっております。
67:
◯西澤啓文委員 最近、僕らも国分町等に行ったときによく見かけるんですが、単に酒を飲み過ぎて救急車を呼んでというようなケースが結構あるわけですね。それが1台ではなくて二、三台、日によって時期によってですけれども、国分町かいわいに出動しているというケースも見ることがあるんですが、ああいったケースのときに、仙台市内で救急車があるのが22台だったと思うんですけれども、それで1日に107回出ているという回数を伺うと、そういったところに出ていることによって、実は非常に緊急を要するような搬送が生じたときにそこに対応し切れないということが本当にないんだろうかということを心配、素人ながらなることがあるわけなんですよ。そんなことで、自分としてはそういった、不適正使用と言っていいのかどうかわかりませんが、もうちょっとこういう場合、救急車を呼ばないで済ませられるようなケースがあるのではないかというようなことについて、一時期、僕も報道等で見たことがあるんですが、本市でもそういった啓発活動というか、そういうことに取り組まれてきたのかどうか。してこられているとすれば、どのような取り組みをされたのか、教えていただきたいと思います。
68: ◯救急課長 まず、平成17年度になりますけれども、全国的に救急件数が増加しているということで、国の方で救急需要対策検討会というものが設置されて検討が行われておりまして、増加する救急需要への対策ということで、市民啓発の促進でありますとかポンプ隊との連携、それから民間患者搬送事業者の有効活用といった対策が示されているという状況にございます。
こうした中で、本市におきましては、これまで救急医療週間等の期間を通じましてさまざまな行事を行っておりますけれども、こうした行事などを通じまして救急車の適正利用について広く呼びかけを行いますとともに、昨年の6月から試行運用を開始しておりましたいわゆるPA連携、重篤な救急事案に対して救急車に加えてポンプ車も出場させるというシステムですけれども、こういったものを本年6月から本運用に切りかえるというような取り組みを行っているところでございます。
69:
◯西澤啓文委員 ありがとうございました。こういったことをお伺いした上で、ちょっと先ほど出ましたけれども、僕らも以前アメリカのシカゴ、あるいはカナダのバンクーバーの方に救急の視察に伺ったことがありまして、その際にそれぞれのところの対応を見てきましたところ、ほとんどが有料化になっておりますし、その時々で酸素を使えば幾ら追加、あるいは点滴をすれば幾ら追加ということを本人に意識があれば本人、あるいは同乗している家族の方等に確認しながら救急車の中でも対応をしていく形をとっておられるというお話も伺ってまいりました。
先ほど不適正と申し上げましたけれども、いろいろな意味で余りにも安易に救急車を、税金を払っているからということで使い過ぎるような嫌いがあるわけですけれども、一方で
ヘリコプターのときにも出ましたけれども、市民の方じゃなくとも同じ対応をしなければならないというお話、救急車も同じだというお話でございますので、そう考えたきに、税金を納めているからということだけでは整理をつけにくい部分もありますので、有料化ということの議論がこれから非常に重要になってくるのではないかと思っております。
そういった観点から、平成17年度に啓発活動とかもされてこられているわけですけれども、有料化のことについて議論をされたことがあるのかどうか。また、今後、ぜひそういったことも必要ではないかというふうに私は思っておるんですけれども、その辺についてお考えがあれば、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
70:
◯消防局長 救急サービスの経費をどのように負担するかにつきましては、古くて新しい問題でもございまして、その財源を税によるべきものなのか、あるいは利用者負担によるべきものなのかといった基本的な問題に加えまして、仮に有料化するにしても、どのような搬送を対象にし、また徴収の仕組みや料金の額をどのようにするのかといった整理しなければならない課題が数多くございます。このようなことから、第一義的には国が中心となって役割を果たしまして、市町村の意見を聴取しながら国民的な議論のもとで検討されていくべきものと考えておりまして、本市といたしましては、国における今後の検討の推移を見守ってまいりたいと考えているところでございます。
71:
◯西澤啓文委員 ぜひ、特にこういった政令市とか、大きいまちでいろいろなところから人が集まってくるようなところには、市民の方以外でも利用の可能性も高いわけですので、その分、消防の中の救急業務の経費というのもかさんでいくと思いますので、その辺のところも今後お考えになっていただくようなことがあってもいいのかなと思っております。
次に、危機管理に関連してお伺いしたいと思います。
これまでも自然災害やテロなど、そういうものに関連しまして、さまざまな施策を消防局としても講じてこられたわけですけれども、最近になりまして病原性の高い感染症などの広範な危機というものが多くなってきております。それに対応するためにも、全庁的にも対応しなければならないということがふえてきているように思います。そんな中で、平成15年度から危機管理監を本市では配置をされまして、また実務部門の強化ということで、防災安全部に2名、さらに昨年度、国民保護の観点から、保護法の絡みもありますけれども、1名増員をされたりしてこられております。そんな中であわせて危機管理に関する要綱も、規程の整備を平成17年度されてきており、本年4月から危機管理室をそれに基づいて設置をされてきておるわけですけれども、その辺の経緯の中でどのような議論を経てこられたのか、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
72: ◯防災安全部長 平成15年度に危機管理監の配置とあわせ、その実務部門を担当する部署として、消防局安全部に防災安全部に主幹1名、担当者1名の増員を行い、平成17年度には国民保護法への対応としてさらに担当者1名を増員したところでございます。
また、危機管理室の設置につきましては、国民保護法の成立に伴い、重要な判断事項が飛躍的に増加したことや、広範かつ専門的な危機に対応するに当たり、意思決定等の一層の迅速性が求められることの理由から、国民保護法関連業務を含む危機管理業務を所管する危機管理室を新設したところでございます。
73:
◯西澤啓文委員 そのような中で平成17年度議論されていたわけですけれども、そのときに、多分平成16年の新潟県中越地震への対応とかあるいは応援してきたということがあると思うんですけれども、そんなことについて検証も相当されたことと思いますけれども、それを近々宮城県沖で予想されている大地震において生かすといいますか、参考になるようなものというのはどのようなものがあったのか教えていただきたいんですが。
74: ◯防災安全課長 新潟県中越地震を踏まえました本市の検証につきましては、宮城県沖地震に備え、すべての部局においてできる限りの課題抽出を行ったところでございます。その結果といたしまして、ボランティアや救援物資の受け入れ、ごみ処理、被災者のメンタルヘルス対策など、事前対策から災害対応までさまざまな課題が提起されております。今後の具体的対応につきましては、それぞれの各局、区などで随時ハード、ソフトの対策を講じ、地域防災計画に反映させてまいりたいと考えておるところでございます。
75:
◯西澤啓文委員 また、その議論をされている中で、多分昨年の8月16日にも大きな地震が来たというふうに記憶しておりますけれども、そのときに例えばさまざまなこれまで検討されてきたものやなんかに基づいて、お盆中ではあったわけですけれども、職員の方々のそれぞれの配置とか、消防局に限らずほかの区の方も含めて、そういった方々がシステムに基づいて活動されたと思うんですけれども、その辺のところはこのときにもきっちりと作動されたのかどうか、教えていただけますでしょうか。
76: ◯防災安全課長 8・16宮城地震におきましては、11時46分の地震発生後、非常配備基準に基づく職員の自動参集とともに、直ちに職員非常呼び出しシステムを起動いたしまして、各局、区の幹部職員の携帯電話に対策本部の設置と災害情報センターへの情報連絡員の派遣を求める音声メモを送信したところでございます。また、青葉区の災害情報センターの開設とともに、13時30分には災害対策本部の第1回本部員会議を開催いたし、被害状況の確認やその後の災害対応の検討などを行っており、初動対応は滞りなく行われたと考えているところでございます。
77:
◯西澤啓文委員 そういった災害や危機が発生したときに、それがまた全市的な規模であったようなケースのときに、各区長さんは実は各区の災害対策本部長ということで陣頭指揮をとらなければいけないとかそういうことがあるわけですけれども、同じように、多分事業管理者の皆さんもそれぞれの公営企業の方で指揮をとられる形になるんだと思うんですが、さらに仙台市での市の災害対策本部というのも立ち上げられると思うんですけれども、その辺について、区長さんとか管理者の方々というのはどのようにそういう大きな枠で、システムで動いたときにどこにどのように動かれることになるのか教えていただきたいんですが。
78: ◯防災安全部長 各局長、区長の立場でございますが、対策本部が設置された場合、企業局も含めた各局長、区長は対策本部の本部員という位置づけとなっております。青葉区の災害情報センターにおいて対策本部の総括的な調整指示を危機管理監は行うわけでございますが、本部員である各区長、局長は基本的に所属の部、区本部によって指揮をとることとなります。その後、全本部員が招集し、被害状況の確認やその後の対応の検討等を行う本部員会議を開催することとなりますが、その場合は各部、各区の本部の次長等がそれぞれの現場の指揮に当たることとなります。
79:
◯西澤啓文委員 そういったときに、先ほどお話しさせていただいた危機管理監及び危機管理室というものが中心になって立ち上がると思うんですけれども、そことの連携というのはどういうふうになりますでしょうか。
80: ◯防災安全部長 危機管理監は、本部全体を統括する主管本部員という位置づけでございまして、先ほどもお話ししたとおり、青葉区の災害情報センターにおいてそれぞれの本部員の統括的な調整、指示を行う立場でございます。
81:
◯西澤啓文委員 8月16日は昼間の時間帯だったんであれなんですが、時間外に災害を含む全市的な危機というものが発生した場合に、今もお話しさせていただいた本部などの各部署の初動体制というのはどのような形で短時間で整えるような段取りになっているのか教えてください。
82: ◯防災安全部長 勤務時間の内外を問わず、大規模災害が発生した場合には、各局、区の幹部職員に災害の概要及び対策本部の設置や災害情報センターへの情報連絡員の派遣を指示する職員非常呼び出しシステムにより対応しているところでございます。また、特に勤務時間外に震度6弱以上の地震が発生した場合には、各区役所近辺に居住する職員が本部事務局初動対応要員として登庁し、本部要員が登庁するまでの間、市対策本部及び各区災対本部の初動対応に従事する体制をとっておるところでございます。
83:
◯西澤啓文委員 済みません。関連しまして他局の方にもお伺いしたいんですが、お許しいただいてよろしいでしょうか。
84: ◯委員長 はい。
85:
◯西澤啓文委員 それでは、健康福祉局の方にお伺いしたいと思いますが、健康危機管理に関連してでございます。
平成12年以降、健康危機管理体制の確保というものが非常に叫ばれるようになって、本市もいろいろな対策を講じてこられているわけですけれども、その中でも特に平成15年にはSARSが、平成16年には国内の各地で鳥インフルエンザが、そして平成17年、昨年は新型インフルエンザ発生の危機が非常に高まったということで、全庁的な対応を求められるような大きな健康危機というものが生じてきているわけですけれども、これらに対してどのような対応をされてこられたのか、お示しください。
86: ◯健康福祉局長 御指摘にございましたけれども、本市では食中毒、感染症、毒物劇物中毒、その他の原因によりまして生ずる市民の健康危機に対応するため、平成12年度に仙台市健康危機管理体制に関する基本要綱を策定して対応してきたところでございます。
平成15年のSARS対応でございますが、この要綱に基づく健康危機管理調整会議におきまして情報収集を行うとともに、仙台市SARS対応行動計画を策定し、全庁的な対応を行ったところでございます。具体でございますが、講演会の開催、ホームページの活用による市民や医療関係者への情報提供、それから各区保健福祉センターに専用電話を設置いたしまして市民相談に応じたほか、保健福祉センターにおける初動体制の確立、患者搬送用専用車両など機材の整備、訓練などに取り組んだところでございます。
それから平成16年の鳥インフルエンザ、京都府を初め各地において発生したわけですが、この際には各保健福祉センターに市民相談窓口を開設し、人への感染に対する不安、それから鶏肉や卵の安全性に対する相談に応じるとともに、野鳥の死骸を発見した際の対応などにつきまして市民啓発を行ったところでございます。
それから、新型インフルエンザでございますが、この際には東北大学医学部などの感染症などの専門家の方々と情報交換を行いながら、保健福祉センターの初動体制や衛生研究所における検査体制の確立を図るとともに、仙台市医師会と連携を図りながら医療体制の確保にも取り組んでいるところでございます。
87:
◯西澤啓文委員 それでは今、いろいろと対応されてきておられるようですけれども、健康福祉局だけじゃなくて消防局やその他の局との全庁的な絡みがあって会議等連携を含めやってこられると思うんですが、連携はどのようにされてきていたのか。あるいはそういった会議というのはどのくらい開催されたものなのか、教えていただきたいと思います。
88: ◯健康福祉局長 消防局とは、日ごろからさまざまな行政課題、救急医療でございますとか災害時の医療救護など、連携をとっているところでございます。ほかの局につきましては、SARS流行の際、流行地域から帰られたお子様方の学校への受け入れ等についての協議、これは教育局でございますが、それから各種国際スポーツ大会を初め大きな催し物の開催の可否などについてそれぞれの関係局と連携をしてきたところでございます。
SARSの対応の時点におきましては、先ほど申し上げました危機管理調整会議、これは局長をトップとする会議でございますが、その後さらに重大な事案になった場合には市長を本部長とする対策本部を立ち上げると、これが要綱に定められておりました。その後、鳥インフルエンザ後でございますが、市民生活全体に危機が及ぶと想定される場合には、危機管理監のもと危機管理室が中心となって全庁的な対応ということで、本年度からは仙台市危機管理指針において、病原性の高い感染症についてもその他の危機と位置づけられまして、一元的な危機管理体制をとることになったところでございます。
それから、会議等の開催状況でございますが、平成15年のSARSの場合には先ほどの調整会議を3回開催し、平成16年、鳥インフルエンザに関しましては消防局主催による庁内関係課長会議を開催したところでございます。新型インフルエンザに当たりましては健康福祉局、私どもと消防局の連携のもと、全庁の課長係長緊急説明会、これを昨年度3回開催いたし、さらに今年度でございますが、新型インフルエンザの世界的な流行、いわゆるパンデミックを想定したシミュレーションを公営企業も含め全部局、グループ分けした上で6回にわたって開催したところでございます。
それでは続きまして、消防局でことしから2機目の消防ヘリが導入をされたということをお聞きしておりますが、この消防ヘリの導入の中で、消防ヘリからリアルタイムにいろいろな情報、いわゆる消防というのは情報をさまざまな形で得ながら、その情報を市民の人にも伝えて、そしてそれらをもとにしながら災害への減災であるとかそういった対応が必要だという部分の中で、今回導入をされました消防ヘリが、2機目として1機目とは違っていろいろな整備がされていると思うんですが、夜間の時間帯に災害が発生した場合、特に災害現場でどのような情報を得て、どのように送信をされるように今回工夫がされているのか、お伺いいたします。
150: ◯消防局管理課長 新旧
消防ヘリコプターの夜間における災害情報の収集能力の違いについてでございますが、従来の1号機では隊員がハンディカメラで撮影を行っておりましたが、今回導入いたしました2号機では、小型カメラを機体に常設し、目標物の自動追尾機能やサーチライト等の連動機能により、特に夜間において災害情報収集能力の向上が図られているところでございます。
151: ◯鈴木広康委員 今、サーチライトとカメラが連動するというお話でございましたけれども、私も災害で使われた状況はまだ見たことありませんけれども、先日、2機目を我々会派で視察をさせていただきました。1機目とは違って本当にある意味ではシステム的にも、そしてまた災害という部分で、夜間の対応にも大変にすぐれている機種かなというふうなことを印象づけられました。どうか、災害発生することは望まれませんけれども、そういった災害発生時に本当に実りのある2機目の消防ヘリが使われることを望みたいと思います。
それから次に、地震という部分でお伺いしたいと思いますけれども、地震発生時、消防局におきましてさまざまな情報収集はどのように行っているのか、お伺いをいたします。
152: ◯防災安全課長 地震発生時の情報収集についてでございますが、震度4以上の地震が発生いたしました場合には、関係職員に情報連絡体制強化を指示し、災害情報の収集に努めることとしております。また、震度5弱以上の地震が発生した場合には、自動的に仙台市災害対策本部を設置することとしておりますが、各区の災害対策本部、各局の情報連絡室で把握いたしました災害情報をホットラインや防災行政用無線などを活用いたしまして、市災害対策本部に集約することとしております。さらには、消防局からは、高所監視カメラ、
ヘリコプターの映像が発災直後から提供されるほか、その他防災関係機関からの被害情報も把握することができるようにしておるところでございます。
153: ◯鈴木広康委員 今、職員含めて災害対策本部、そしてまた高所に設置をしておりますカメラ等々、さまざまな情報が消防局に集まってき、またその情報を収集することによって次の対応が図られるわけなんですけれども、地震発生した際に情報を得ました。それで次には市民に対してそれらの情報を伝達もしなければならない。例えば余震であるとか津波、または避難といった情報の提供はどのように市民の皆様になされるようなシステムが構築されているのか、お伺いをいたします。
154: ◯防災安全課長 市民の皆様への災害情報の提供につきましては、津波や余震などの地震情報、避難指示や避難勧告などの避難情報等の伝達がございますが、広報車や
ヘリコプター、報道機関との連携によるもの、それからインターネットなどの通信メディアや津波情報伝達システムの活用など、あらゆる手段を使いまして広報を実施することとしております。これに加えまして、本年度より、先ほど御答弁申し上げました災害情報提供システムを活用いたしました防災情報の配信も実施しているところでございます。
155: ◯鈴木広康委員 本市におきます消防局の中ではさまざまな情報提供システムが構築をされておるということが、今、御答弁いただいてわかると思うんですが、いかんせんいち早い正確な情報を市民にも提供しなければならない。そしてまた、地震情報というのは、特に余震であるとかさまざま情報をいろいろな形で伝えるということ。先ほどあった災害情報システムであるとかそれらも大切であります。そんな中におきまして、IT技術がかなり進んできています。そんな中で今回8月1日から気象庁でスタートさせた情報伝達の部分がございます。緊急地震速報というのが提供されることになったわけですけれども、これは消防局の方では御存じでしょうか。
156: ◯防災安全課長 緊急地震速報は、地震が発生いたしまして、主要な地震動のS波が伝わる前に地震が発生したことを伝達するシステムでございます。想定される宮城県沖地震では、速報の伝達時間は主要な地震動が到達する10秒前とされておるところで、委員御案内のとおり気象庁で8月1日から先行提供しておりますが、さまざまな課題等を秘めておるところでございまして、提供先につきましては、ある一定の限定をした上で提供しているところと承知しております。
157: ◯鈴木広康委員 今回、気象庁で始まった緊急地震速報については、今、スタート段階ですので、さまざまなところといってもまだまだ、ある一定の例えば工場であるとか決まっているところにしか受信がされていない状況にあると思いますけれども、これが例えば本市の地震が発生した際において、バスであるとか地下鉄であるとか、ガス局も含まれると思うんですけれども、公営企業への情報提供、地震でありますから地震においての被害想定がされるわけであります。そういった部分で、緊急地震情報というのは、情報提供という部分では有効な手段であるかどうか、消防局としてはどのようにお考えか、お伺いいたします。
158: ◯防災安全課長 緊急地震速報の先行的な提供の具体的な活用方法といたしまして、気象庁では列車や工場等の制御や工事現場などの作業員の安全確保という利用を想定しておりますので、委員御指摘のような分野での活用は極めて有効であると認識しております。
159: ◯鈴木広康委員 私も今回、このシステムができたときに、気象庁にも問い合わせをさせていただいた中で、これからスタート段階ですので、さまざまな課題もあるというようなお話がありました。その第一の課題というのが例えば受信システム、これは特別な情報を得るための受信システムも必要になります。そういった部分では費用もかかるでしょうと。そしてまたその受信システムについても、まだまださまざまなところで製造をしているわけじゃないということもあって、いろいろな情報を得たとしても、それをどのように伝達すればよいのかという部分についてもこれからの段階ですということがありました。
しかしながら、この9月4日から、あるところについてはもうスタートもしております。8月1日から実際スタートして、その間、登録をしながら始めたところの中で、例えば東京の私鉄大手小田急電鉄でそれを導入したということをお伺いいたしました。特に電鉄での導入でありますので、この緊急地震情報を受けまして、受信された速報を運輸指令所においてコンピューターが瞬時に情報を分析いたしまして、沿線地域での揺れが震度5以上になった場合には、全列車の運転席で警報が鳴り、運転士に緊急停止を指示するシステムが稼働するようになっているということなんですけれども、本市においても公共交通機関、地下鉄がございます。委員長、1点だけ他局にまたがる質問でございますが、よろしいでしょうか。
160: ◯副委員長 はい。
161: ◯鈴木広康委員 地下鉄の運行におきまして、この緊急地震情報。私は大変にこの情報を得て、さまざまな運転の部分での緊急事態での対応としては有効なものになるのではないかなというふうに思うんですが、交通事業管理者の立場からこの緊急地震情報、どのような見解をお持ちか、お聞かせください。
162: ◯交通事業管理者 気象庁が運用する緊急地震速報、この状況でございますが、委員おっしゃるとおり、小田急電鉄を初め交通機関の9社が導入を前提に検討しているというふうなことでございますので、私どももそこと情報の連絡をとりながらただいま検討しておりますし、それから消防局とも連携をして、その使い方について、まだ限定的なものでございますので、ただいま検討をしているところでございます。
163: ◯鈴木広康委員 ぜひとも、まだスタート段階ではありますけれども、我々の地域、宮城県そしてまた仙台市におきましては宮城県沖地震が高い確率で発生すると言われております。それにつきましてはしっかりとした備えが大事でありますし、情報という部分では、いろいろなITの中でのさまざまな情報が得られるシステムが多数できています。しかしながら、それらをより的確に、そして的確に得たものを市民へと伝えることが大切なのであります。
それでは、最後にこれをお聞きしたいと思うんですけれども、消防局においても、今、検討段階、そしてまた交通局の中でも検討段階ということですが、これは費用がかかるものでございますけれども、この受信という部分については私は大変に有効なものであると思いますので、減災という部分につなげられる緊急の情報システムだと思います。そういう意味では今後、これらの情報を本市におきましても取り組みとして導入をしながら、しっかりとした市民への情報提供も含めてやってはどうかなというふうに思うんですが、この点について最後にお伺いをして私の質問を終わります。
164: ◯危機管理監 委員の方から、今、御指摘ございましたけれども、緊急地震速報につきましては、地震から市民の命もしくは財産を守るという意味合いで非常に有効なものというふうに認識をいたしております。気象庁の方から速報の先行的な提供につきましての情報が入ってきているわけでございますけれども、この情報を適宜各部局の方に提供をいたしまして、先ほど事業管理者の方から話がありましたけれども、それらの利活用の方法、それから課題等の検討を現在行っているところでございます。
しかしながら、地震速報も御存じのとおり整理されていないところもございまして、例えば自動車の運転中の方々とか、それから多数の市民の方々が集まる集会施設等、こうした場所にこういうふうな情報を伝達した場合は、二次的な災害も懸念されるというような状況もあるわけでございますけれども、国の方でこうした状況を解決するために検討会を設置いたしまして、現在、国の方で検討を進めておりまして、今年度中に一つの方法が示されるんじゃないかというようなことで伺っておるわけでございますけれども、本市としましては、こうした国の方の検討の結果も注視しながら、導入に当たっての課題の整理とか活用の方法について引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
165: ◯副委員長 社民党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔斉藤重光委員、質疑席に着席〕
166: ◯副委員長 発言を願います。
167: ◯斉藤重光委員 私からは、救命率の向上策について絞ってお伺いしたいと思います。
先日も中央の方では、風邪で入院すると言った政治家が実は狭心症だったということで、新聞のコラム欄には、政治家に心臓疾患あるいは脳の疾患が多数あると、デパートだと、そのような記事が載っておりましたけれども、昨年4月から救急ステーションを拠点としてドクターカーが試験運用されました。本年4月からは本格実施されまして、24時間365日の通年運用ということで、
救急救命士さんたちも気管挿管なり薬剤投与ができるということになってまいりまして、救命士さんたちの養成が急がれているところでございます。きょうからは
東北大学病院では高度救急救命センターもスタートをして、受け入れ体制の拡充などが進んでいるわけですけれども、まず最初に平成17年度とことしの救急ステーションの運用体制について、お伺いいたしたいと思います。
168: ◯救急課長 救急ステーションの運用体制でございますけれども、平成17年度の運用開始から現在まで、救急ステーションには3名の管理要員と10名の救急隊員を配置しておりまして、2交代で1台の救急車を運用しているほか、4週間を1サイクルといたしまして6名の
救急救命士が2交代で勤務をしておりまして、年間を通じて病院実習、それから病院実習者が同乗する形でドクターカーの運用に当たっているという状況でございます。
また、ドクターカーに同乗する医師につきましては、市立病院救急救命センターの医師を中心に病院サイドでローテーションを組んでいただいておりまして、本年4月5日から医師の確保が図られたということで24時間365日の本格運用に移行したという状況でございます。
169: ◯斉藤重光委員 本格運用ということになりまして、今、
救急救命士さんたちが病院実習をしていると。4週間を1サイクルとして、6名で通年で実習を行っているということで、こういう実習の皆さんが医師と同乗する機会があると大変勉強になると、
救急救命士さんの質の向上にも役立っているという話を伺っているわけですけれども、まず、
救急救命士さんたちの平成16年7月からは気管挿管、平成18年4月からは薬剤投与が認められたわけですけれども、現在の養成状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。
170: ◯救急課長
救急救命士の処置範囲の拡大に伴いまして、気管挿管それから薬剤投与を行うことができる
救急救命士の養成を行っているところでございまして、9月1日現在になりますが、気管挿管を行うことのできる
救急救命士は26名、それからエピネフリンという薬剤投与を行うことができる
救急救命士は10名というような養成状況になっております。
171: ◯斉藤重光委員 このような資格をいただく認定救命士の今後の養成計画についてはどのようにお考えでしょうか。
172: ◯救急課長 養成の計画でございますけれども、拡大された処置、これを行うことができます認定救命士の養成につきましては、
救急救命士と同様に、常時救急車に1名以上の認定救命士が乗車する体制というものがとれることを目標に養成に取り組んでいるところでございます。こうした体制をつくるためには約100名の認定救命士が必要になりますことから、気管挿管の認定救命士につきましては今後毎年8名程度を養成いたしまして平成26年度までに、それから薬剤投与の認定救命士につきましては今後毎年15名程度を養成いたしまして平成24年度までに、常時1名が乗車する体制といったものを実現していきたいということで考えております。
173: ◯斉藤重光委員 認定救命士の養成には大分時間がかかるような計画になっているようですが、実際例えば気管挿管の認定を受けるまでどのくらいかかるのか。あるいは薬剤投与の資格を取るまでにどのような研修などを受けてどのようになるのか教えていただきたいなというふうに思います。
先日も新聞に、医者が気管内挿管をして誤って食道の方に入れてしまって、患者から告訴されているというような記事が載っておりましたけれども、技術的に熟練するために、認定を受けるためには大変だろうというふうに思うんですが、そこら辺について少し教えていただければと思います。
174: ◯救急課長 気管挿管につきましては、62時間の座学の研修に加えまして、病院実習で30例の成功症例を経験するまでということになっておりまして、養成の期間、それはその都度異なるわけですけれども、おおむね2カ月から3カ月程度を要するというような状況になってございます。
それから、薬剤投与につきましては220時間の座学の研修と、それから点滴ラインの確保と薬剤投与に関します64時間の病院実習が必要だということで定まっておりまして、養成には約1カ月半ぐらいの期間が必要になるという状況でございます。
175: ◯斉藤重光委員 先ほど約100名の認定救命士をこれから養成するんだと。気管挿管の場合はあと8年かかるということでございますけれども、今、平成17年度で、123名の
救急救命士さんたちがいらっしゃいますけれども、そうすると毎年何名かずつ増員していくわけでしょうから、ほとんどの方が認定救命士を受けなければならないと。そうすると先ほどの話だと実務研修も4週間で、毎年行くということになると、市立病院にも必ず1回くらいは毎年
救急救命士さんたちは研修に行ってそういう訓練を受けるということになるんでしょうか。かなり大変な計画ではないかというふうに私は思うんですけれども、実際救命士さんの養成などを含めて、実情について少し教えていただきたいというふうに思います。
176: ◯救急課長 先ほど申しました病院での実習に関しましては、1名の
救急救命士にとってみますと1年3カ月から4カ月ぐらいに1回市立病院の方に入るというようなことになります。それから先ほど申しましたような気管挿管それから薬剤投与に関する認定救命士の養成というようなところで、1人当たり気管挿管ですと2カ月から3カ月、薬剤投与ですと1カ月半ぐらいの期間を要するというような状況になっておりまして、各消防署の方で人的な勤務人員の確保、調整を行いながらこういった救命士の養成、研修に取り組んでいるという現状でございます。
177: ◯斉藤重光委員 先ほども勤務の問題が出ていましたけれども、
救急救命士さんたち、前にも質問いたしましたけれども、今2交替制でやっていて、結構メディカルコントロールの実務研修もしなければならない。それでまた、こういう研修もしなければならないということで、できれば3交替制にという要望が強くあります。これについては今回は要望だけにとどめておきたいというふうに思いますが、いずれそういうことも検討しなければならないのではないかというふうに思っております。
平成17年から試行が始まって、今年本格運用ということになっていますけれども、ドクターカーの出場実績はどのようになっているでしょうか、お伺いします。
178: ◯救急課長 ドクターカーにつきましては、昨年4月11日に試行運用を開始しておりまして、ことしの4月5日から24時間の本格運用を実施しているという状況でございまして、出場の実績につきましては、試行運用期間においては144件、それから本格運用を開始してから本日まで130件出場しておりまして、通算して274件の出場となっております。
179: ◯斉藤重光委員 昨年は1年間で144件ですが、ことしはまだ半年で大体130件ということですので、大体昨年の倍の260件あるいは300件に近くなっていくのかなというふうに思いますが、いずれ昨年よりは倍近くの出場ということになっているかと思います。
それでドクターカーが出場することによって、今までの救急隊だけの出場と、救命率はどのような状況になっているのか教えていただきたいと思います。
180: ◯救急課長 初めに、ドクターカーによって搬送された傷病者の救命率でございますけれども、昨年4月の試行開始から、病院収容後の傷病者の状態の調査を終えましたことしの5月31日までのデータとなりますけれども、心肺停止に至った時点が目撃された患者さん49名中、1カ月後の生存者が8名ということで、救命率が16.3%となっております。
次に、一般の救急隊の救命率についてでございますけれども、こちらは昨年1月1日から、調査を終えましたことしの5月31日までのデータとなりますけれども、心肺停止に至った時点が目撃された患者さん405名中、1カ月後生存者は38名ということで、救命率は9.4%となっております。
181: ◯斉藤重光委員 倍までは行きませんけれども、かなり救命率が上がっているということでございますけれども、これはやはり救急隊員の方とドクターカー、お医者さんが現場に到着しての処置の仕方、権限のあり方など含めてこのような状況になっていると思うんですが、救急隊員にも気管挿管とか薬剤投与とかあるわけですけれども、お医者さんが現場に早く到着した方がこのように救命率が高くなっているということは、一番の原因は何だろうというふうにお思いでしょうか。
182: ◯救急課長 ドクターカーによってもたらされる効果というようなことかと思いますけれども、まず基本的に心肺停止傷病者に対しましては、気道確保のための気管挿管でありますとか、それから血圧を高める薬剤の投与といった行為が行われるわけですけれども、現時点では、先ほど申しましたように
救急救命士、認定を受けた救命士の数というものが限られているというような状況がありますので、そういう意味では医師によって気管挿管あるいは薬剤投与といったことが心肺停止傷病者に対してなされるというようなことが一つございますし、それから心肺停止状態に至っていない患者さんに対しても、ショック状態を改善するための目的で、静脈路の確保とかそういった輸液といった医療行為が、これは救命士ができない行為、医師ができるというようなことがございまして、救命効果が高いというようなことになろうかと思います。
183: ◯斉藤重光委員 いただいた資料では、心肺停止患者さんが平成16年には647人だったのが平成17年は718名、毎年50人、60人の心肺停止患者がふえているというような状況をいただいていますけれども、このように高齢化社会の中でそういう患者さんが非常にふえていくと。救急の救命率を上げていくいろいろな施策が大事なのかなというふうに思います。
そこで、今の本格実施されましたドクターカーの出場基準についていろいろ条件があると伺っておりますが、それはいかがなんでしょうか。
184: ◯救急課長 ドクターカーの出場基準につきましては、救急ステーションから直線距離おおむね5キロメートルの範囲内で発生をいたしました目撃のある心肺停止傷病者及び心肺停止に準ずる重症事案ということで、救急事故現場において医師の救命治療が必要とされる案件に対しまして、日中、夜間を問わず通年出場をするということにしてございます。それから、傷病者の救出に相当の時間を要する案件、それから多数の傷病者が発生したような事案につきましては、平日の日中に限られますけれども、市内全域を対象に出場をするということにしてございます。
185: ◯斉藤重光委員 救急ステーションから5キロの範囲内で発生した心肺停止事案ということですが、こういう条件をつけたのはどのようなお考えからでしょうか。
186: ◯救急課長 これは、心肺停止傷病者の救命行為ということに関しまして、余り時間がたってしまってはなかなかドクターが現場に行っても救命効果が出せないと、発揮できないというような状況がございますので、そうした意味で設けられた基準ということでございます。
187: ◯斉藤重光委員 そうすると、大体のところ地域を教えていただきたいんですが、救急ステーションから5キロの範囲内というと南の方はどこら辺の地域か、北の方だと北仙台あたりとか、大体のエリアというのはどんなふうになっているでしょうか。
188: ◯救急課長 出場エリア、おおむねの目安ですけれども、東が仙台市バイパスあたり、それから北が台原地区あたり、それから南が名取川を一つの目安ということになろうかと思います。
189: ◯斉藤重光委員 それは名取川の手前ということですね。名取川を渡らないでという。
これは後でもう一回伺いますけれども、先日、地元の新聞に書いてあったんですけれども、消防長の指定を受けて仙台市消防局が救急救命に関するトリアージの実験を、この10月から行うというようなことが載っておりましたけれども、どのような内容で、どのようなことをこれからの救急救命の関係で行おうとしているのか、お伺いいたします。
190: ◯副委員長 救急課長、先ほど西側の範囲が漏れましたので、それを一つ最初に答弁していただいて。お願いします。
191: ◯救急課長 失礼いたしました。西側については、葛岡地区が目安だということでございます。
それから、119番通報時のトリアージの関係でございますけれども、増加する救急需要対策の一つということで、平成17年度から総務省消防庁において検討されているものでございまして、119番受信時において指令業務に当たっておりますオペレーターが、その通報内容から患者の緊急度、それから重症度といったものを判断して、救急隊の出場のあり方、それから傷病者への対応といったところを弾力的に行うことができないかというような観点から検討が行われているものでございます。
今後、国から緊急度、重症度を判断するための基準の案、トリアージの案といったものが示されまして、その妥当性を検証するために本市を含めました複数の政令市の消防機関が協力する形で、それぞれの現場で実験を実施するというようなことになっているものでございます。
192: ◯斉藤重光委員 救急車の搬送人員が、先ほどの論議でもありましたけれども、毎年毎年ふえていて、平成17年度は3万5700名が搬送されているわけです。その中で、市立病院には軽症、中等症の約四十五、六%が搬送されているわけですが、重症患者が4,115名、平成17年度はいるわけなんですが、その中で、市立病院に搬送されている方が444名と、1割にも満たない方しか市立病院には搬送されていないんですけれども、仙台市内には今度
東北大学病院もできる、国立医療センターもある、さまざまなところに搬送していると思うんですけれども、どういう搬送の仕方をしたらいいのかとか、一番近くに搬送した方がいいとか、そういうさまざまなことが指令室から各消防隊に指令をするんだろうと思うんですが、私は見ていて、市立病院でも随分少ないんだなというふうに思うんですけれども、これからの
東北大学病院のかかわりなど含めまして、病院がいろいろなことをやり始めたときに搬送体制がどのように変わっていくのか、そういうことに関連しながらこのトリアージなどもあるのかどうなのか、そこら辺についてお伺いいたします。
193: ◯救急課長 救急隊の搬送体制でございますけれども、救急隊の搬送の基本的なところは、有効な治療ができる一番近い医療機関に迅速に搬送するというのが基本になってございます。こうした意味で、先ほど御指摘ございましたように市立病院の重症症例444症例ということになっておりますけれども、そのほかにも3次医療を担っていただいている医療センターさんなどなど、そういった複数の医療機関に搬送がなされているという状況であろうと思っております。
それから、東北大学の高度救急救命センターのオープンにつきましては、現在、年間約2,000名ほどの患者さんを東北大学に受け入れていただいているというような状況がございますが、高度救急救命センターのオープンということで、より多くの重篤な患者さんを受け入れていただけるというような状況になると思われますので、そういった観点で期待をしているという状況でございます。
それから、先ほど申しましたトリアージの検討といったことと、こういった医療機関の関係ということになりますが、現在、国の方で行っております検討につきましては、トリアージの基準をつくることが妥当なのかというような入り口のところから検討に着手したというような段階でございますので、即その基準を消防の119番のトリアージに取り入れるというような段階のものではないということでございます。
194: ◯斉藤重光委員 それで、救急隊で一番苦労しているのが現場に到着してからなかなか行き先が決まらないと。現場到着時間も仙台の場合、全国平均よりも少し多くなっているわけなんですけれども、一番は、搬送を開始するまでの時間が結構かかっていると。病院収容まで2時間以上要した件数が平成17年では89件。その中で病院照会に30分くらい要した件数が40件ということで、結構現場に到着してから搬送するまでの時間が仙台の場合かかっているのかなというふうに思うんですが、ここら辺は消防局としてはどのように認識しているんでしょうか。
195: ◯救急課長 病院までの搬送時間の短縮というようなことでございますけれども、確かに御指摘のように全国平均よりも若干長いような状況になっているかと思いますけれども、そういう意味で、そうした部分の抜本的な改善ということになりますと、医療資源の問題であったりそういったところになってこようかと思いますが、我々消防サイドとしてできる努力ということでは、重篤な救急患者さんについては、救急隊員が患者さんと接触する前段階、通報の段階で、救命コールと申しますけれども、医療機関の方に収容依頼をしてしまうというようなシステムを動かしておりまして、そういった意味で重篤な救急患者さんについては迅速に受け入れていただけるような取り組みなども一方でしているという状況がございます。
196: ◯斉藤重光委員 今回は質問しませんけれども、精神科救急などでかなり時間がかかっているという実態があるというふうに伺っております。いずれこれはまた別な機会にしなければならないなというふうに思います。
最後ですけれども、ドクターカーが救命率にとっては非常に効果を発揮しているということで、ますます拡充していくべきだというふうに思うわけですが、特に先ほどの話にありましたように、仙台市内でも5キロ未満ということで、限られた地域だけで、今、出場しているということでございますので、当然にも、前に健康福祉局の方で検討したと思うんですが、複数の救急ステーションの整備が必要ではないかというふうに思うんですが、そこら辺についてのお考え、どのようなことを検討なされているのか、お伺いいたします。
197:
◯消防局長 現在、気管挿管及び薬剤投与を行うことができます認定救命士の養成に鋭意取り組んでいるところでございますけれども、今後、その養成が進みまして、救急隊により日常的にこうした救急救命措置が行われるようになることで、心肺停止傷病者の救命効果が向上していくという状況がございます。こうした中で、原則として心肺停止傷病者を出場の対象といたしますドクターカーの役割なども徐々に変化していくものと考えております。今後、それぞれの救命効果に関するデータなどに基づきまして、救急ステーションの複数整備の必要性なども含めまして、より効果的なドクターカーの運用策について検討いたしてまいりたいと考えております。
198: ◯斉藤重光委員 いずれ、市立病院の移転の問題など含めまして、これから総合的に救急体制のあり方、精神科の問題も含めまして検討していかなければならない課題なんではないかというふうに思いますけれども、現時点においても、先ほど言われましたように外れている地域が結構いっぱいあるわけですね。そういう意味では、前にも市立病院とオープン病院にワークステーションをつくったらどうかというような話などもございましたけれども、そういうことも含めまして、市長、どんなことを考えているか、最後によろしくお願いします。
199: ◯市長 市民の皆様のための救急体制の整備、まだまだ仙台市にとって発展途上であるというふうに認識をしております。委員御指摘のように市立病院の建てかえに際しましても、できるだけそういった観点から意を用いた新しい病院にしたいと考えておりまして、現在、中川病院事業管理者を中心に検討を進めているところでございます。
しかしながら、市立病院、新しい建物の完成前であっても、ドクターカーの充実あるいは複数の救急ステーションの整備などについて、引き続き厳しい財政状況の中ではございますが、最重要の項目の一つとして取り組んでまいりたいというふうに考えております。
200: ◯副委員長 以上で平成17年度仙台市
一般会計歳入歳出決算中、歳出第8款消防費に対する質疑は、総括質疑を除き終了いたしました。
答弁者入れかえのため、少々お待ち願います。
〔答弁者入れかえ〕
201: ◯副委員長 委員長と交代いたします。
〔副委員長退席、委員長着席〕
202: ◯委員長 副委員長と交代いたします。
次に、平成17年度仙台市
一般会計歳入歳出決算中、歳出第9款教育費についてであります。
改革ネット仙台から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔渡辺博委員、鈴木繁雄委員、質疑席に着席〕
203: ◯委員長 発言を願います。
204: ◯渡辺博委員 私は教育費のうち、健全育成、そしてまた学力に関して幾つか質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、昨年度の教育費の執行に当たって大変御苦労されたことと思います。厳しい財政状況の中、かなりの額、これは何億でしたでしょう。約20億円を超えるくらい減額になって執行されているわけですけれども、執行するに当たりましてどの点に留意されたか、どの点に苦心をされたのか、その辺をまず概略お示しをいただきたいと思います。
205: ◯教育局総務課長 昨年度の決算についてのお尋ねでございますけれども、昨年度の決算につきましては、天文台の移転建設用地の取得が終了したことでありますとか、それから学校の新築、増改築、この数などが減少したことによりまして、平成16年度に比べ20数億円程度の減少という数字になっております。
他方、全市的に厳しい財政状況の中で、それぞれいろいろな工夫をしながら対応してきたわけではありますけれども、特に平成17年度におきましては、宮城県沖地震への対応として学校の耐震補強工事を進めますとか、児童の安全確保のための学校防犯巡視員、仙台・まもらいだーなどですね、これらの派遣、あるいは障害のある児童生徒の学校生活や学習を支援するための指導補助員の配置などを市の単独事業として、一部規模を拡大しながら継続して実施するなど喫緊の課題につきましては、重点的に予算を配分し事業を行ってまいったといったところでございます。
206: ◯渡辺博委員 この厳しい財政状況の中で、単独事業を起こしてまで子供たちのために取り組んでいただいているということは敬意を表するところでございます。ただ、これは我々日本人に共通の認識だと思いますけれども、子供たちの教育には惜しむべきではない。ほかを削っても子供たちの教育には投資をし……、投資というと変ですね。予算をできるだけ多く設けて子供たちが生き生きと力強く生きていける力を養う、そのために努力を惜しむべきではないという、これはどんなに厳しくても変わることではないというふうに思います。本市におきましても、財政状況が厳しい、口をあけばそういうことになるわけですけれども、こういうときであるからこそ惜しまないで力を入れるところには力を入れていく。そしてまた、いろいろなノウハウがあります。そのノウハウを生かす努力をしていくことが、今、必要なのではないかというふうに思います。
それで、健全育成に関して1点お尋ねをしたいと思います。
子供たちがどういう環境にいるか、どういう環境を子供たちに提供していくかというのは大人の責任だというふうに思います。仙台市においては、各小学校あるいは中学校区で健全育成協議会、あるいは名前が違いますけれども同じ目的で集まっている組織があって、大変効果的な仕事をしているというふうな認識を私は持っております。しかしこれは油断をしますと組織だけ、形だけということになりかねない、そんなおそれを持っております。
今までこの視点で幾つかの市を見てまいりました。例えば、品川の戸越台中学校のようなところは下町の雰囲気が残っている、そういう地域の中学校。子供たちを地域の人たちが常日ごろから見守っている。ちょっと非行に走るような雰囲気があれば、地域のお兄さんあるいはおじさんが声をかけて正すと、そういうふうな地域でございました。それにこたえるように中学校の先生方も、その地域で行われる例えばお祭りとか、あるいはそれに類するさまざまな行事に校長、教頭、教務主任ばかりではなく学校職員まで参加をして、中学校と地域とが一体になるという雰囲気を醸成しているところがありました。
小金井市にある中学校では、学校が荒れた。学校が荒れた中で、その解決を使命として来られた先生がどんなことをされたか。地域のあらゆる団体に声をかけて、言ってみれば健全育成協議会のようなものをつくった。お琴の先生とかそういう習い事の先生までその協議会の中に入っていただいて、子供たちの心を静めるための力をかしてくださる、そういう役割を果たしてくれた。5年計画で来られた先生が、2年で中学校の荒れをおさめてしまった、そういうふうな現実を見ておりました。
これは地域が熱心に学校とかかわり合いを持つということ。それは学校が地域の皆さん方に熱心にお願いし、声をかけて地域の力を得るという、どちらかが熱心になっているという。両方が同じような気持ちであれば一番いいわけですけれども、そういうふうにどちらかが熱心にならなくてはならない。仙台市においては、中学校なり小学校が常に熱心に地域とのかかわり合いを持っていくことが必要であり、そういう地域であってほしいと、こういうふうに願っているわけでございます。
前置きが長くなりましたけれども、本会議でも質問いたしました関係する団体が幾つかあります、健全育成協議会のほかにですけれども。ダブっている、重なっての行事も結構あるようでございます。その点を指摘して御意見を伺いましたところ、調査をして、整理すべきところは整理するというお答えでございました。それぞれの団体が使命感に燃えて活動されているので、一気に一緒にするとかというのは乱暴なことなのかもしれませんけれども、それぞれが限られた時間を生きている、活動しているわけですから、活動を見直して、有効な方策を考えていくことは大事なことだというふうに思っておるところでございます。
ここで、もう一度お伺いをしたいのですけれども、青少年の健全育成に関して、昨年はどのような活動をしてこられたのか。それを受けてことしはどんな活動を始めているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
207: ◯教育相談課長 青少年の健全育成を目的としたいわゆる青少年健全育成協議会が63、すべての中学校区において組織されており、小中学校の健全育成担当教員やPTA、連合町内会や防犯協会、民生委員、児童委員等の地域諸団体など、地域を挙げて御協力いただいているところでございます。具体的な取り組みといたしましては、地域ぐるみの清掃奉仕活動やあいさつ運動、健全育成講演会の開催、防犯子供を守ろうデーの実施、広報啓発活動等、学校と地域が連携しながらさまざまな取り組みを行っているところでございます。
208: ◯渡辺博委員 私が申し上げたいのは、地域、各中学校学区にあるというのは大変結構なことだと思いますけれども、お互いがお互いを研究し合っている、これも現実にあると思います。ただ、濃淡があるようだという認識を私は持っておりまして、その辺のことを教育委員会としてぜひそういう視点で点検をしていただきたい。それでオーケーとなれば結構ですけれども、濃淡がある。高い方に合わせるべきだろうというふうなことでお聞きしたわけでございますので、その点の御検討をお願いしたいと思います。
続きまして、義務教育課程の存在意義についてというちょっと大上段の視点で質問したいと思います。
社会が公教育に求めているものは一体何なのか、どう考えているのか。それからその要請にこたえるために本市教育委員会はどういう努力をしておられるのか。それからそういう努力をしている中で課題が幾つもあると思いますけれども、どんな課題認識を持っているのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。
209: ◯教育長 公教育に求められているものというお尋ねでございますけれども、まず、公教育に求められている第一の大きなものといたしましては、教育の機会均等、すなわち日本のどこに生まれまして、どこに暮らしていても、同じような教育を受けることができるという機会の保障、これが大きなものの一つであろうかと思います。また、あわせまして教育水準の確保ということも大事なことであろうというふうに考えてございまして、具体的には、家族の経済力とかそういったものに左右されずに一定の学力を得て社会に出ることができる、そのようなものを保障していくこと、これらが私どもが担っております公教育に求められているものというふうに考えてございます。
残余の、それでは仙台市教育委員会がこれらをどう具体にやっていっているかということにつきましては、学校教育部長の方より御答弁申し上げます。
210: ◯学校教育部長 社会からの要請にこたえるための教育委員会の努力についてでございますが、現在の社会は御案内のとおり科学技術の発展、情報化の進展など大きく変化している渦中にございます。教育委員会といたしましては、将来このような社会を生き抜いていける子供たちを育てるために、まずその基盤となる確かな学力の向上、それと豊かな人間性の育成、さらに、たくましく生きるための心と体の健全育成という、いわゆる知、徳、体の育成を目指して取り組んでいるところでございます。
次に、現在の課題についてでございますが、今、申し上げましたように知、徳、体の調和のとれた育成がどのような手段で実現させていくかが何よりも重要であると課題意識を持って取り組んでいるところでございますが、教育委員会といたしましては、まず基礎基本の学力、これを定着させる取り組みが必要と考えております。また、防犯など安全・安心のための取り組み、児童生徒の心のケア、食育や体力づくり、さらに大学や地域との連携を生かした取り組みなどの課題に対しまして、今後なお適切な対応を図ってまいりたいと考えているところでございます。
211: ◯渡辺博委員 本市の教育の総括をしているのが教育委員会、教育局ということになるわけでございます。教育委員会事務局職員数を調べていただきましたら、学校教職員を除いて517名という大所帯でございます。そのうち行政教員数が118名、健康福祉局、それから子供未来局にもいらっしゃるわけですが、教師で採用されて行政教員として、行政に出ておられる方が118名、これもまたかなり大人数でございます。
それで伺いますけれども、教育委員会へ教員が出向してくるということの意味、そして出向してきてまた戻って、また出向してきてという繰り返しの方もいらっしゃるようですけれども、その後の人事にどういう影響が出ているのか。それから教育行政をされる教員の人選というのはどういうふうにしているのか。その辺が明確でないように一般的には見えます。特定の人や、そういうことではなくて、希望者もあるだろうと思います。希望者から人選しているのか、あるいは何か別の人選の方法があって選んでいるのか、その辺が明確でないような気がいたしますけれども、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。
212: ◯学校教育部長 今、御指摘のありました教育委員会事務局にいわゆる学校教育職員を配置する意味づけということでございますが、教育課程、学習指導などについての豊かな経験を有する教育職員を事務局職員として配置するということは、何よりも学校現場の実態に即した効果的な教育行政を行う上では必要なことと考えております。また、教育職員自身にとっても、今まで学校現場で働いていたところから離れ、全市的な視点から教育に取り組むという経験は、今後、学校現場での教育活動をより充実したものにするということで、非常に意味のあるものと考えております。
それと、教育委員会事務局にいる勤務経験がその後の人事、昇任にどう影響あるのかという御質問でございますが……、失礼いたしました。その前に、配置する教育職員を選ぶ基準について先にお答えさせていただきます。
教育委員会事務局には、いわゆる学習指導、生徒指導というところにおいてまず実績を上げている者、また教育センターとか各種研修会等において日ごろ研究、研修を積んでいる者、そういう者の中から人物、識見、指導力、そういう点を考慮して配置しているものでございます。
そして、その勤務経験がその後の人事、昇任にどういう影響があるのかという御質問でございますが、昇任を決定するに当たりましては、学校現場にいる教員と同様に事務局に勤務している職員に対しても管理職選考試験を受験していただくことになっております。その選考の際には、今、申し上げましたような教育活動の実績、人物、識見、指導力などを含めて総合的に勘案して判断、決定しているところでございます。
213: ◯渡辺博委員 その趣旨は理解いたしました。
いただいた資料をもとにしてお聞きいたしますが、小学校の校長先生の数が123名、行政教員経験者は59名、約半数です。中学校の場合は63校、63名。行政教員経験者数35名。教育委員会で何らかの仕事をされていた方の半々の方たちが校長になっておられるわけですね。教頭になりますと、小学校はちょっと低くなりますが、中学校は教頭の半分が行政経験者ということになっております。これは何らかの反映があるのではないかというふうに、数字上、普通思うんですけれども、ぜひ、私の認識でございますけれども、行政経験をしたいという方たちを広くさらに募っていただいて、チャンスを与えていただきたい、そういうふうな機会を選ぶ、選ばないはその人たちの自由でございます。そういう門戸をさらに広げる──広げていると言われればそれまでですが、広げる努力をしていただきたいなというふうに思うところでございます。でも、教職で入られて行政で苦労されている先生方を見ると、お気の毒な気もするんですけれども、これは余計なことでございます。
それで学校は校長先生の影響がかなり大きい、経営者としての影響が大きいというふうに感じておりますけれども、仙台の小学校、中学校の学校経営者の資質、必要、理想とされる資質、あるいはゆだねられた使命というのは、改めて伺いたいんですが、どう教育委員会では考えておられるんでしょう。
214: ◯教職員課長 学校経営者に問われている資質でございますが、それは教育者としての使命感や豊かな識見、すぐれた指導力などであることは言うまでもありません。学校教育現場の今日的課題を踏まえますと、児童生徒や地域の実態、保護者の願いなどをきちんと受けとめ、確固たる教育理念に基づいた学校経営ができることや、みずからが研さんに取り組む姿勢などが重要となってきていると考えます。
215: ◯渡辺博委員 安心をいたしました。そういう方々が学校経営者になっているということでございます。
しかし一方、社会は激しく動いております。社会の要請というのは、公教育に対してかつてと違ってかなり厳しいものがありますし、大きなものがあります。一方、学校の校長先生の権限というのはかなり強まってきているというふうに思われます。教育委員会がむしろ遠慮するようなところもあるようなことも見聞きするんですけれども、それだけに学校の校長先生の社会性というんでしょうか、これは今、御説明にありましたように非常に問われております。思うのでございますけれども、どうもそれにそぐわない方もいらっしゃらないわけではないのではないかと思うんですけれども、それで伺いたいのですが、民間から校長に登用するという例が全国にございます。仙台市においてはその例がないわけでございますけれども、民間での経験を生かした学校経営について、基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
216: ◯教職員課長 学校経営に民間の経営を生かすということについてでございますが、このことについては、これまでの学校経営に対して、コストなどの効率意識や競争原理、視点の転換などの新しい風を吹き込むことで教育改革を充実させるというねらいがあるものと認識しております。
217: ◯渡辺博委員 新しい風を吹き込むことはとても大事だというふうに思います。しからば、本市教育委員会としては新しい風を吹き込む有効な方法と私は思うんですけれども、民間出身の学校経営者を採用することについては、今、いかがお考えでしょうか。
218: ◯教職員課長 校長や教頭の民間人採用につきましては、他都市の状況を見ますと、採用にはメリット、デメリットがあるようでございますので、今後、幅広く研究していきたいと考えております。
219: ◯渡辺博委員 メリット、デメリットを今から研究するのではいかがなものかと思いますが、教育長、いかがでしょうか。
220: ◯教育長 民間人の校長の方々というのが全国的にもさまざまに活躍しておられることは、私どもも承知をいたしております。著名な方としては、例えば杉並区の中学校長になられた藤原和博さんなどの御著書を私も拝読しているところでございます。しかしながら、それぞれの地域における実情に勘案した学校経営ということを仙台市教育委員会として進めておる中で、今、仙台市にとって喫緊に民間人の方の校長を登用しなければならないかどうかということについては、なお慎重に検討させていただきたいと、そのように考えている次第でございます。
221: ◯渡辺博委員 組織は常に改革をしていかなければならないというふうに私は思う立場です。教育委員会は、新しい風をどういう方法で吹き込んで改革を進めていこうと考えておられるんでしょうか。
222: ◯教育長 改革にさまざまな進め方があろうかと思いますけれども、先般の議会等でも御答弁申し上げましたとおり、学力の向上等について、やはり教職員の資質の向上ということが大きな課題であろうというふうに認識をしておりまして、その点につきまして教員評価制度でありますとかさまざまなシステムの改善を行いながら、現在、資質の向上に努めているところでございます。
223: ◯渡辺博委員 それはまたちょっと違うのではないかというふうに、私は認識を異にするところでございます。新しい風、外部からどういう風を吹き込ませて組織を活性化していくかということは、どの組織であっても大事なことでございまして、研究をしていく、今、そんな余裕はないんじゃないか。もう既に研究をしていなければならない問題だというふうに私は思いますが、これはまた別の機会にしたいと思います。
子供の学力向上についてでございます。公教育の社会が求める要請について、機会均等、水準の確保という教育長から御答弁をいただきました。子供の学力、学校は学力向上ばかりでありません。情操教育も豊かに育てていかなければならないんですが、大きな柱が学力の確保でございますけれども、学校の役割を、今、どう考えておられるでしょうか。
あわせて保護者と、それから今、予備校、塾というのが大変大きな存在感を示しておりますけれども、学校はどう今、学力向上のために働いているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
224: ◯教育指導課長 まず、学校の役割についてでございますけれども、読み書き、計算などのような各教科等の基礎的、基本的な内容を学習指導要領に沿って児童生徒に確実に身につけさせるとともに、将来、自立して社会生活が送れるようなマナーやルールなどをしっかりと身につけさせることであると認識しているところでございます。
次に、保護者の役割についてでございますが、早寝、早起き、朝食、あいさつなど、基本的な生活習慣がしっかりと身についている児童生徒は、一般的に各教科等の基礎学力の定着度が高いという傾向が見られます。そこで家族での温かい触れ合いの場を設けコミュニケーションを深めること、児童生徒がリズムある生活が送れるようにすること、望ましい食習慣を身につけさせ、みずから健康管理ができるようにすることなどを念頭に育てていただくことが大切ではないかと考えております。また、だめなことはだめという物事の善悪のけじめなどを幼少のころからしっかりと教えていただくこともまた家庭の大きな役割ではないかと考えているところでございます。
第3点目といたしまして、予備校や塾の役割についてでございます。
いわゆる受験学力を高めることに主眼を置くところ、また一方では、補充的な学習に力を入れているところなど、その役割は一概には定めがたいと考えております。子供がみずからの学力を高めていくことにつきましては、学校での学習が基本ではありますが、予備校や塾は各家庭の判断によって任意に選択できる一つの学習の場となっているものと認識いたしております。
225: ◯渡辺博委員 本市の小学校の3割、中学校の5割の児童生徒が学校以外の塾あるいは家庭教師に教わっているという現実があります。家庭の判断だと簡単におっしゃらないでいただきたい。先ほど教育長の答弁にありましたとおり、所得の多い少ないにかかわらず学力の水準は維持しなければならないというのが公教育に求められる大きな柱でございます。予備校あるいは塾が存在しないで果たして今の公教育が成り立つのかどうかという、私はそういう視点からお聞きしているんですけれども、こういう存在がふえることはあっても減ることがないというこの現実に対して、公教育を担っておられる教育委員会としてどういう御認識なんでしょうか。もう一度お聞かせをいただきたいと思います。
226: ◯教育長 予備校や塾ということでございますけれども、私ども公教育を担う者といたしましては、公教育の中で社会に出て生きていける学力をつけていくこと、これは大きな責務でございまして、予備校、塾といったようなものに頼らない中でいかにきちんとした学力をつけていくかということに日々腐心をしているところでございます。
しかしながら、一方で親御さんの中におきましては、苦手な科目について、特にそれを御家庭で補完するのが難しい場合に塾というものに頼るというようなことですとか、またあるいはさまざまな学校を進学する希望に際して、より上位の偏差値の学校に行くことに希望してそういう塾に行くことを望むさまざまな御家庭の御要望がございますので、またそれらを一概にだめであるというふうには申し上げられないとも考えてございます。
227: ◯渡辺博委員 本来、公教育の中で学力というのは確保されるべきだというふうに私は思う立場でございます。それが足りないからこういうふうな現象が起きている。確かに教育長のおっしゃるとおり──偏差値というのは私よくわからない、我々のときにはありませんでしたから、偏差値の高い高校を選ぶ親の都合もあるかもしれませんけれども、それ以前の問題も私はあるのではないかというふうに思っております。公教育は本来の役目を100%果たしていない、そういうおそれを私は持っているものですから質問をしているところでございますけれども、子供たちの学力向上のためには、子供たちの学習習熟度がどれくらいかという把握をするのは当然だというふうに思っておりますけれども、子供たちの学習習熟度はどのように把握されておられますか。
228: ◯教育指導課長 学習習熟度ということでございますが、私どもは、平成16年度から宮城県学習状況調査というところの調査によりまして、子供たちの理解の定着度をそこで測定し、そして改善策を立てているところでございます。
229: ◯渡辺博委員 不思議なことをおっしゃいます。平成16年度初めて調査をされたんですか。それまではどんなふうにして習熟度をはかっておられたんですか。
230: ◯教育指導課長 これまでは各学校におきまして、民間の業者による調査等によって学力、それから子供たちの落ちている部分、そういったところを把握し、そして授業の改善に努めていたというふうに押えているところでございます。
231: ◯渡辺博委員 そのことを詳しくお聞かせをいただきたいと思います。どういう調査なのか、負担はどうしていたのか。そして成果はどうなのか。
232: ◯教育指導課長 民間の学力調査でございます。一般には標準学力検査という名称で市販されているテスト問題のことでございまして、これは学習指導要領に示されている学力を把握するために利用されているものでございます。
これには大きく二つの種類がございまして、一つはNRTと申しまして、学習の成果を集団内の相対的位置で明らかにし、学力水準の把握や指導に役立てることができるものでございます。もう一つは、CRTと申しまして、目標到達の度合いを明らかにして、その結果で判明した未到達の児童生徒に指導を行うことができるものでございます。
これらにつきましては経費がかかることでございますので、本市の現状でございますけれども、平成17年度にこの検査を活用した学校数の割合でございますが、小学校では58.5%、中学校では87.3%となっております。各学校におきましては学校独自に検査結果の分析を行い、指導方法の工夫や改善に生かすとともに、進路指導に活用しているところでございます。なお、この経費負担につきましては、保護者の負担であるというところでございます。
233: ◯渡辺博委員 小学校では58.5%、中学校では87%が有効だということで利用している、私もそうだろうというふうに思います。しかし、費用負担が保護者であるという、つまり保護者の負担がないところではやっていないというふうな現実があるわけでございます。
公教育に対する期待の質問でお答えをいただきましたけれども、水準を確保するためのこれは大事な手段の一つではないかというふうに思います。本市教育委員会全体の問題ではないか。本来、本市教育委員会が負担すべきものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
234: ◯教育長 ただいまお尋ねの標準学力テスト等のあり方についてでございますけれども、現在は各保護者の御負担により各学校ごとにやっているということでございます。明年以降、国におかれましても学力の状況を把握するための学力テストというものを実施するわけでございますけれども、本市といたしましても、これからの教育行政を実施するに当たりまして、どのような情報が必要であるか。また私どもの学校におきます学力向上の努力をどのように評価すべきであるか、それらの手法については鋭意考え、これを検討してまいりたいと考えるところでございます。
235: ◯渡辺博委員 小学校、中学校と9年ございます。今までは小学校6年生と中学校3年生、それぞればらばらでしたが、小中連携によって9年間を一つのスパンにして子供たちの成長を図っていこうという考え方が主流になっていると私は感じている、そういう立場で質問いたしますが、小中連携について本市はどういうふうな取り組みをしておられるでしょう。
236: ◯教育指導課長 小中連携についてのお尋ねでございますが、小学校から中学校へ進学する際に、学習のつまずきや不登校になるなどのいわゆる中1ギャップの問題など、中学校での生活や学習に対する心配や不安を少なくすることが課題であると認識しております。このため小中連携により精神的な安定性を保ち、心の成長と確かな学力の育成を目指し、小中間での連続的、継続的な教育を実施することは極めて重要なことであると認識いたしております。
237: ◯渡辺博委員 具体的に、本市においてはどのようなことをやっておられますか。
238: ◯教育指導課長 本市の現状といたしましては、小中相互の研究授業や健全育成面などでの学校間の交流を初め、中学校教員による小学校での出前授業の実施、学芸会での中学校吹奏楽部の演奏や小学校6年生の中学校見学などの児童生徒の交流、このようなさまざまな形でほとんどの学校が連携を行っております。また、最近では学力向上に関する小中連携において他校の参考となる先進的な事例もございまして、今後はこのような事例の普及、啓発に努めてまいりたいと存じます。
239: ◯渡辺博委員 そのことなんです、教育委員会にお願いしたいのは。報告をいただきましたら、先ほど私がほんのちょっとでしたけれども取り上げました健全育成協議会のようなものまで小中連携に入れている、そういうのを報告しているところが余りにも多過ぎます。
本市では、文部科学省の学力向上フロンティア事業で、上杉山通小学校、上杉山中学校の小中連携のすぐれた例があります。これは数学の小中連携を一つにテーマにしたもので、自画自賛と思うほど、担当した先生は結構効果があったと書いておられる。私は学力のことについて重点的に質問してまいりましたけれども、小中連携というのは単に生徒と児童が行き来するだけじゃなくて、そして教師が見学をし合うだけでなくて、一定の目的のもとに、例えば学力であれば、弱い学科についてお互いに9年というスパンの中でどうやって協力し合っていこうかという研究し、そして実践していく、それが教育連携の柱の一つだと思うんですが、本市ではそれが行われていない。すぐれた効果が、実績があるにもかかわらず、その場限りの小中連携としか言えないものしかないという、そういうことを私は申し上げているわけですけれども、教育長、ごらんになりましたか、小中連携の報告書。ごらんになっているでしょうね。愚問ですけれども、その認識をお聞かせいただきたいと思います。
240: ◯教育長 小中連携でございますけれども、ただいま指導課長が御答弁申し上げましたように、基本的に私ども複数の分野でこれをとらえておりまして、例えば教育相談の分野、発達に課題を抱えたお子さんの小学校における情報が中学校にうまく伝わっているかどうか、また、生徒指導面のことではどうであるのか、そういったことも一つの分野としてとらえております。しかしながら、最近のさまざまな学力向上に関する問題意識の深まりに応じまして、小中の教え方の違いによるギャップ、また、それを連携することによってどうやって取り除き、深めていけるか、このような課題が出てきたものと認識しているところでございます。具体的に申せば、小学校は学級担任制でございまして、1人の教師がすべての教科を行うわけでございますけれども、中学校に行きますと教科専任になる。その教科専任の教え方というものになじんでいない子供がいきなりそういったことになったときに、うまく適応していけないのじゃないか。これを小学校高学年の段階から何とか連携の中によって工夫できないかといったような問題意識は私どもにも実際ございます。
その一つとして上杉山通小学校の実践例もあるわけでございますが、現実的な普及ということに関しましては、1小学校1中学校区においては比較的これが実施できやすい状況にあるのかなというふうに教育委員会としては思っておりますが、一つの中学校に二つないし三つの小学校から進学する場合に、中学校教師がどのような形でそれぞれの小学校にかかわり得るかという時間的な問題ですとか、これからなお解決しなければ課題があるというふうには考えております。しかしながら、小中の学力面での連携というのも大きな課題でございますので、私ども重要なテーマとして研究しながら、これの実践に努めてまいりたいと、そのように考えております。
241: ◯渡辺博委員 本市は、学都仙台と言われますが、教育都市仙台という冠も欲しいと私は思います。残念ながら教育都市仙台とはなかなか言い切れない、そんな状況ではないかという認識を私は持っているところでございます。
小中連携についても、本市教育委員会ですぐれた例を示すべきだろうというふうに思います。今のままでは任せ切りで、各学校の校長先生たちがお困りになっているのではないかとむしろ心配を私はしております。教育委員会は積極的に小中連携について基本的な理念を固めて、そしてそれを示すべきだというふうに思います。
教育委員会は独立した行政委員会でございまして、政治的に中立を求められる、そんなふうに言われております。しかしこれは社会の動きに鈍感であっていいということではないというふうに私は思っているところでございますけれども、先ほど新しい風を吹き込むことをおっしゃっていただきました。私も全く同感でございます。そのことで質問申し上げましたけれども、社会の要請にこたえていくために、教育委員会はもっともっと風が吹き込みやすいような環境をつくっていかなければならないし、自分自身の組織をそういう組織にしていっていただきたいというふうに思いますけれども、教育長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
242: ◯教育長 教育というのは、さまざまな社会的な課題に対応する未来の子供たちを育てていくのでございまして、社会の要請に鈍感ではいけないというのはまことに御指摘のとおりであろうかと存じます。そういう意味では教育委員会の中でも学校が閉じられた社会であるという批判はかねてございまして、そういったものに対応する一つの方策といたしまして、例えば外部の方に学校の運営についていろいろ御意見をいただく外部評議、外部評価といったシステムも設けているところでございます。
私ども教育委員会は、学校医とも相まって外部の声にきちんと耳を傾け、私どもがそれを責任を持って子供たちの上に実現をしていくと、そのような組織でありたいと考えている次第でございます。
243: ◯渡辺博委員 本市が最高水準にあるわけではないという私は認識で質問いたしました。意見の違う方もいらっしゃると思いますけれども、私は教育都市仙台という冠が自然につくような、そういう都市にぜひなっていただきたい。全国の先進例がたくさんあるようでございます。我々仙台市の教育委員会はもっと勇気を持ってそういう先進例を学び、そして実践、教育長はおっしゃっていました。学んでいるだけではなくてすぐ実践をしていただきたい、そんなふうに私は思うところでございます。
市長は、教育に関しても政策に挙げて立候補され、今、市長職にあられるわけでございます。我々議員、少なくとも私も教育ということに関しては有権者の皆さん方にそのあり方、自分なりの考えを訴えてこの席を今担っているわけでございますけれども、教育委員会は独立した行政委員会なものですから、聞いてはいただいているようですけれども、私自身の思いどおりにはなかなか見えないところがありますけれども、市長としてこの1年間、教育委員あるいは教育関係者とどのような交流をされて、どんな印象をお持ちになって、これから自分自身で何をされたいと思っておられるんでしょうか。
244: ◯市長 できるだけ簡潔にお答えしたいと思いますが、多少長くなるかもしれません。1月の成人式が終了しました後、教育委員会の皆様と1時間半ほど懇談の機会を持たせていただきました。その際、委員の皆様方から教育観、そして日本の教育についての現状についての評価、そして具体的な処方せん等々についてそれぞれのお考えを伺った次第でございます。その内容を今この場で御紹介することは控えますが、私自身からは日本の公教育の現状、そして仙台の公教育の現状についての大変に深刻な危機感を具体的な事例にも即して表明をいたしました。したがいまして、私としては教育委員会、あるいは教育長以下にある意味で厳しいボールを既に投げてございます。
先ほど来、教育長から答弁がありましたように、現在、教育局におきましてもいろいろな形で先ほど来の御質疑にありますような点も含めて真剣に検討を進めているところと理解しております。
いずれにしましても、所得格差が教育格差に結びつくようなこういった現状が生じていることは、日本の国の将来にとっても国民全体にとっても大変にゆゆしき事態でございます。これまでのところ、文部科学省はゆとり教育路線の過ちを事実上認めているものと私は認識しております。文科省自身がゆとり教育は間違いであったということを明言はいたしませんが、この半年くらいの文科省の人事を注意深く見ておりますと、ゆとり教育路線を修正していくということは明らかに文科省としてもそういう方針に転換したものと理解しております。
今次、新政権におきましても、総理御自身あるいは文部科学大臣を含め、初等中等教育あるいは公教育について、相当に深刻な問題意識を持ちながら今後新しい教育改革あるいは教育再生に向けてのプログラムを編成していくものと考えられます。
このような国の動きと歩調を合わせながら、仙台の公教育の再生について、学校現場で本当に努力をされている、あるいは苦悩されている心ある先生方、私にも直接いろいろなお声が届いております。小学校の中学年、3、4年における学級崩壊がこのところ一段と進んでいること、あるいはいろいろな学力の低下の問題、多くの学校の先生が熱意を持って一生懸命教育現場で頑張っておられること、よく承知しております。私自身も含め教育行政に携わる人間がすべて深刻な危機感を共有し、単にいろいろな事柄について検討するだけではなくて、いよいよいろいろなことを実行していくべき段階に入っていると思います。時間は非常に長くかかりますけれども、10年あるいは数十年単位で日本の公教育を再生していかなければならないというふうに考えております。
各論につきましては教育長以下で御答弁したとおりでございますが、小中連携につきましては、東京都品川区の事例なども研究し、仙台市として導入の可能性があるかどうかについて検討を既に教育長には半年ぐらい前に指示しているところでございます。こういったことも含めて、引き続き教育部局とよく議論もしながら、教育委員会の先生方の御意見もよく伺いながら、市長としての責任を全うしていきたいというふうに考えております。言うまでもなく教育は国の最も基本的な要素でございます。
245: ◯渡辺博委員 ありがとうございました。やっぱり社会に存在できるかどうか、今、いろいろな機関、組織が試されているわけでございます。社会から支持されない組織は消えていく運命になる。公教育の存在さえ、今、市長のお話にもありましたけれども、絶対ではない。社会から支持されなければ、社会は別のものを用意していくだろうというふうに私は思う立場でございます。
仙台市教育委員会におきましては、努力をされていることは理解をしながらも、さらに改革を進めていただきまして、新しい風の中で、我々の後に続く子供たちの育成にさらに努力をしていただきたいと期待をいたしまして質問を終わります。ありがとうございました。
246: ◯委員長 発言を願います。
247: ◯鈴木繁雄委員 私から、東二番丁幼稚園の件について質問をさせていただきます。
まず第一に、東二番丁幼稚園につきましては廃止の方向で検討していくことにしたということ。なぜこういうことになりましたのか、まずお伺いをいたします。
248: ◯教育指導課長 これは平成15年3月に行財政改革プラン2003において、行政の守備範囲の見直しとして市立幼稚園のあり方の検討が実施項目として挙げられて、そこからスタートしたということでございます。
249: ◯鈴木繁雄委員 なぜそういうことになったかということを聞いているんです。
250: ◯委員長 時間を延長いたします。
251: ◯教育指導課長 本市の幼児教育におきましては、100を超える私立幼稚園が大きな役割を担っており、各私立幼稚園におきましてもみずから研修、研さんを深め、指導力、教育力の充実を図ってきていると認識しております。また、この地域に必要な幼稚園としては、少子化等により近隣の私立幼稚園において受け入れ可能な状況となっております。そのような状況の中で、本市の行財政改革計画の柱でもございます適切な官民の役割分担、すなわち民間に受け皿があるものについては可能な限り民間への移行を図るという観点から、東二番丁幼稚園につきましては廃止の方向で検討していくというふうにしたところでございます。
252: ◯鈴木繁雄委員 それでは幼稚園ばかりでなくて、高等学校とかいろいろなことも出てくると思うんですけれども、きょうは幼稚園ですから、これはなぜそうなったかというのは、簡単に言えば要するに決算状況が非常に悪いということが一番大きな要因になったんじゃないかというふうに私は思っているんですけれども、どうなんですか、その辺。
253: ◯教育指導課長 確かに東二番丁幼稚園の歳入歳出の状況でございますけれども、平成17年度におきましては、歳入が保育料といたしまして1180万5000円でございます。歳出が人件費と物件費合わせまして6983万6000円となっており、差し引きの収支差といたしましてはマイナス5803万1000円となっております。
254: ◯鈴木繁雄委員 要するに歳入が少なくて歳出が多かったと。これは財政再建をきちっとやらなくてはいけないという視点で、そういう判断の方向を出したかなりのパーセントというふうにお答えになるんだと思っておりましたけれども、それでは歳入をふやそうという努力はされましたか。
255: ◯学校教育部長 歳入についての今までの努力という御質問だと思うんですけれども、東二番丁幼稚園につきましては、今現在のところ月1万1000円という、1人当たりそういう保育料でございますけれども、これは平成5年から変わっておりません。当時から保育料は政令市の中でも一番、最高水準のところにございまして、現時点におきましても、ほぼ同じ最高水準の位置にあることから、今現在に至ってその水準は変わっておりませんことから、保育料を今現在据え置いているというところでございます。
256: ◯鈴木繁雄委員 時間がないので、申しわけないですけれども、要するに私は、歳入をふやすためにどういうふうな努力をされましたか。また、仙台は今、政令市の中でトップクラスだというお話がございましたけれども、政令市と比べる人はそうそう、中にはいらっしゃるかもしれないですけれども、現実は私立幼稚園と東二番丁幼稚園の差異はどのくらいあって、どういうふうな状況になっている、その辺の御認識、私立幼稚園というのはどういうふうになっているか、それは掌握されていますか。
257: ◯学校教育部長 私立幼稚園の保育料、大体平均的な数字として押えさせていただきますと、約2万円弱ぐらいというふうに認識しております。それに比べると東二番丁幼稚園は約2分の1ぐらいに当たるわけでございますが、確かに官民の格差というところはございます。しかしながら、先ほど言いましたように公立幼稚園としての保育料というのが政令市とのバランス、そういうものも含めまして、現時点での保育料ということで、また保護者の負担増にもつながることから、現時点では据え置いてきたというところでございます。
258: ◯鈴木繁雄委員 政令市と比較されるのも、それも一つの比較のされ方ですけれども、これはすぐ親御さんたちに受け入れられるか受け入れられないかは別ですよ。要するに私立との差異がどれほどあるかということをまずは認識すべきだと思うんですね。仙台市のある私立幼稚園は年間で大体36万8000円ぐらいかかっています、親御さんの納入金額ですね。東二番丁幼稚園ですと約21万円なんですよ。大体十五、六万円の差額はあるんですね。しかし就園奨励金というのを私立幼稚園では親御さんたちはいただきますから、これは所得によって違ったりいろいろな条件が違いますから、ただ、やはり平均すると、本当に物理的な平均ですけれども大体7万円ぐらいだと。それを引いても10万円近くの差があるんですね。こういうことを御認識の上で、平成5年からずっと13年間、いわゆる保育料ですか、それの納入の金額について議論とかいろいろ考え直そうとか、そういう努力をしたことはありますか。
259: ◯教育長 平成5年以降の過去14年間の大部分の時間と申しますのは、御承知のとおりバブル崩壊後の日本経済が大変厳しい時代でございまして、ここの幼稚園保育料のみならず、仙台市が徴収しますさまざまな使用料についても、これを値上げするということを避けてきたというような社会状況ではなかったかというふうに考えております。私ども市立幼稚園の値上げをこの期間に特に大きな課題として考えたということはございません。
260: ◯鈴木繁雄委員 経営する以上は収入をふやす、支出を減らす、これしかないんですよ、簡単に。そのときに、要するにバブル崩壊の後で何とかかんとかといっていて、13年間もずっと検討もしないできて、そしてこれだけの赤字ですからもうやめますと、こういう判断の仕方というのは、非常に私は無責任だと思うんです。まずそれを申し上げておきます。
それでは今度支出の方をどういうふうに抑えていくかと、こういうことでの検討、さまざまな検討をなされましたか。
261: ◯委員長 答弁願います。
262: ◯学校教育部長 支出についてのお尋ねでございますけれども、御存じのように幼稚園は人件費がほとんどでございます。幼稚園教諭という人的、いわゆるマンパワーによってふだん担われています。物件費についてはもともとかなり抑えられておりますので、それほど圧縮要素がございません。そういう意味で、今、御指摘のように人件費を抑えるという点につきまして、まず人数的なものは人員配置上、もう今現在がおおむね適正と判断しておりますので、職員の人件費を抑えるというところでは限界があろうというふうに認識しておりますので、現在のところに至っております。
263: ◯鈴木繁雄委員 人件費が圧倒的な経費を占めておるということですね。今、限界だというお話がございました。限界だという御判断は実に適切でない、努力をしていないというふうに私は言わざるを得ない。いわゆる園児1人当たりのコスト、これもまた変な出し方ですけれども、1人の園児にどれぐらいの経費がかかっているかということをさっと計算しますと、東二番丁幼稚園は一人頭80万円かかっているんです。秋保の方はもっとかかって80万6000円、あと馬場の方はお一人当たり100万円かかっているんです。ところが私立、これは平均になるんじゃないかと思いますけれども、私立幼稚園の一人頭のコストというのが大体50万円ぐらいなんですね。こういうようなことで、歳出をどうやって抑えたらいいかということを私はいろいろ考えて、努力も限界だというふうにお話しありましたけれども、内訳を見ますと、教諭が2名、昭和49年に採用になった方、32年間転勤なしでずっといらっしゃるんですよ。これは2名ですよ。そのほかにもう1人は昭和53年に採用になった方、28年間ずっといらっしゃるんです。東二番丁幼稚園は仙台市の唯一の幼稚園であったからという意識は昔の人たちは持っているんです。しかし幸いなことに合併をして、秋保地区にも二つ幼稚園があったわけですよ。ここの中で人事交流とかなんかということはなされていなかったんですね。
それから人件費で約6500万円かかっているんです。しかし6500万円の人件費って大変なものだと思うんですね。こういう内容で、それで財政上厳しいからもうやめたいというふうなことでの考察が始まったと。これは私は、もっと整理すべきことが、また努力すべきことがいろいろあったんじゃないかと思うんですよ。これをしばらくの間そのままにしてきてしまったんではないか。
それから、数字的に確かに年間で平成17年度は5831万円赤字と、こういう数字を持って説明会にも臨まれたと思うんです。この数字は、私は事実だと思います。何ら間違いはないと思います。しかしこの数字は、実はある意味では一般の幼稚園としての運営をした場合ではこういう数字にならない部分がありますね。というのは、いわゆる私立幼稚園であれば、先ほど申しましたように就園奨励金というのが出るんですね。東二番丁幼稚園は就園奨励金が出ないわけですから、この分、財政支出は抑えられているわけですよ。ということは、この5800万円からその分は同義的には差し引いた数字が実は幼稚園運営の実質的な赤字部分なんです。
それからもう一つは、宮城県からの補助金というのは、仙台市には出ないんですか。もらえないんですか。また、そういう県の幼稚園に対する補助金があるということは、仙台市の方ではよくおつかみになっておられるんですか。
264: ◯子供未来局長 県から私立幼稚園に対する補助金についてでございますけれども、県から運営費補助金という形で交付されてございまして、計算方式、いろいろ複雑なものがございますけれども、単価としては1人当たり14万3000円余りと。そこに補正係数など掛けまして、この単価に定員内の実人員を掛けたものが補助金として交付されてございます。
265: ◯鈴木繁雄委員 仙台市はいただいていないんですか、いただいているんですか。
266: ◯子供未来局長 仙台市内にございます私立幼稚園、こちらの……
〔「東二番丁」と呼ぶ者あり〕
267: ◯子供未来局長 東二番丁幼稚園に関しましては、私どもの方はそれに関しては承知していないところでございますけれども、私立幼稚園に関してはいただいてございます。
268: ◯鈴木繁雄委員 私立幼稚園はそれをいただいているわけですね。これを市立幼稚園にも適用してほしいということを県の方に申請したり、働きかけたり、話題を言ったりということはございますか。
269: ◯委員長 答弁願います。
270: ◯教育指導課長 今まで、県にこういったことで働きかけたということはございません。
271: ◯鈴木繁雄委員 今、子供未来局長がお話しになりましたけれども、私立の一例を挙げますと、幼稚園では年間4500万円いただいているんです。これだけの金額を県が措置するんですね。仙台市立ですからということで対象外になっているということは、ちゃんと市は、私立と仙台市立ではどういう法律のあれがあるかはわかりませんけれども、これは努力すべきが本当の姿だったんじゃないでしょうか。その辺いかがでしょうか。
272: ◯教育長 私学としての私立幼稚園に国及び県また市等、それぞれ運営の御努力に対して補助金という形で運営の補助をしているというのは補助の性質としてあるべき姿だろうと、その一つだろうと思いますけれども、恐らくといいますか、市立で仙台市が運営しております幼稚園について、即、私学と同等の助成を県に求めるというのは、多分市と県の役割分担からしては、県にはいろいろ御議論のあるところではなかろうかと思うところでございます。
273: ◯鈴木繁雄委員 それは当然議論は出てくると思いますよ。しかし、教育委員会としてこれだけ廃園にということが頭によぎって、そういうことを検討せざるを得ないというときに、私立幼稚園と市立では違うということは私はよくわかっていますよ。しかし、子供に対する歳出の税金の投入ということでは、これはそうそう差があるべきでもないんじゃないかという一つの切り口で措置を願うというのは、結果はどうかわかりませんよ。こういうことを申し出るということは、私は必要じゃないかと思うんですけれども、こういうことが一切、今、教育長のようなお話で検討もしなかった、なされなかったというのは、いささかどうも腑に落ちないんですけれども、正直言って教育委員会としてはそういうことは余り思ったことがなかったとおっしゃられるんだとそれで結構ですけれども、その辺もう一度お答えをいただきたい。
274: ◯教育長 市立幼稚園として、ただいまいろいろコストの面でありますとか、御指摘をいただきました市立幼稚園として仙台市が大変限られた数の幼稚園のみの中でこの間運営をしてきたというようなことが人件費、コスト等の構造を招いている面がございまして、これは現在の限られた数の中で運営をしていくということ自体を見直さなければいけないと考えまして今回の提案ということでございまして、市立幼稚園の存続ということを前提にいたしますれば、例えばただいまのようなお話もあり得るかとは存じますけれども、今回はそのような考えではございませんということでございます。
275: ◯鈴木繁雄委員 申しわけございません。打ち合わせをしていた筋書きどおりの質問じゃないので、ちょっとずれたりしてしまったので、お答えにお困りの部分もあるかもしれませんけれども、すべての方策、何かないかということで、いろいろお探しになって、存続ありき、廃止ありき、そういうことじゃなくて、今こういうふうにずっと5000万円、6000万円という赤字が続いてきているわけです。そして教員も3人、20何年間、30何年間、そういうことがずっと固定化されてしまって、そのままで来たと。18年前にせっかく秋保と合併して幼稚園が三つになったんですよ。そういうことを考えたら。
それから、資料で私求めましたら、これも先生方では初めてじゃないかと思うんですけれども、小学教諭のうち幼稚園免許所持者の割合、この資料をいただきました。女性の先生方では1,470名教員がいらっしゃる中で352名、何と29.3%の方が幼稚園の免許をお持ちなんですよ。こういうことがあるんです。男子の先生方でも、945名の小学校の先生のうち64名の方がお持ちでございます。計416名の先生方が幼稚園の免許をお持ちなんですよ。
先ほど渡辺委員から、小中連携ということがございました。いわゆる幼児教育というものがいかに大切かということが、今、非常に注目をされているというよりは求められております。小学校教育を行うときに幼児教育の経験と、また、情報発信のきちんとした東二番丁幼稚園という存在というのは、教育のシステム、そして教育上大変に重要性を帯びてきておると思うんですけれども、そういう考察を実際されたことがあるんでしょうか。そしてまたその必要性ということを感じて運営された時代も、私は記録的にあったように思います。これは教諭の配属を見ましてもその傾向が見られるように私には感じます。これは今申し上げませんけれども。
ところで、人件費の中に園長先生の人件費は入っているんですか、入っていないんですか。ゼロなんですか、どうなんですか。
276: ◯教育指導課長 人件費の中に園長の人件費も含まれてございます。
277: ◯鈴木繁雄委員 園長先生は、小学校の校長先生と兼務でございますか。別々ですか。
278: ◯教育指導課長 別々でございます。
279: ◯鈴木繁雄委員 高額な人件費というものが経営上、非常に重くのしかかっておるというふうに思います。園長先生1名、教諭が5名、あと非常勤と嘱託の方々が4名でございますから、実質的には園長先生、教諭で、いわゆる専属の方6名でございますね。以前は東二番丁小学校の校長先生と幼稚園の園長先生が兼務という時代もあったやに聞いておりますが、そんなことはありましたか。
280: ◯委員長 答弁願います。
281: ◯教育指導課長 申しわけございません。かなりの歴史を持つ幼稚園でございますので、過去にさかのぼってのそういった資料、ただいま持ち合わせてございませんので、後ほど報告させていただきます。
282: ◯鈴木繁雄委員 いずれにいたしましても、専任の方が6名で人件費が6500万円を超すということは、これは到底、経営的には行き詰まるのは当然のことでございます。先ほど私は、収入の面で単純に5400万円、5600万円の赤字になったということは言えないんじゃないかということを申し上げましたけれども、この幼稚園をもし私立の幼稚園にした場合には、これは県と市とはかかわりないからと、県の方は県だから我々には関係ないという言い方もあるかもしれませんけれども、私は県と市と税金を投入するということでは同じだと思うんですね。これが私立になった場合には、先ほど子供未来局長が申しされましたけれども、これでは県の方から約1500万円の、それから就園奨励金で700万円から800万円、2300万円ぐらいの税金を投入しなくてはいけない。ということは、今それが抑えられているわけですから、逆に言うと、この5400万円という数字は確かに数字としてはそのとおりでございますけれども……、5800万円ですか、そうですけれども、税金を投入されていないことから、その分を差し引けば3000万円程度の赤字だということにとらえるのが本来のつかみ方だというふうな見方もございますので、その点もひとつよく理解をしていただきたいと思います。
それから、もう一つ申し上げたいのは、いわゆる存続運動の中で、質問とかいろいろ教育長にあったと思うんですね。その中で、東二番丁地域に必要な幼稚園としては、近隣の私立幼稚園において受け入れ可能な状況であると認識していると。それから、東二番丁幼稚園を廃止することが市中心部の商業衰退に直接つながるとは考えておりませんと、このように言い切ってお答えになっておるんですけれども、経済局と皆さん方とお打ち合わせをきっちりされたのかどうか、商業環境立地についての高邁なる御認識をお持ちなのかわかりませんけれども、これは私ども商業者と多くのおつき合いをする中での感覚と御意見でございますけれども、やはり公的機関、公的スペース、公的空間が特に密集した成熟したまちには必要だということは、圧倒的に聞いた方々は絶対そういうことは必要だということをおっしゃられるんですけれども、どういう感覚でこういう御答弁をされたのか、恐れ入りますがお聞きをさせてください。
283: ◯教育長 ただいまの委員のお話の中にございましたとおり、東二番丁地区におきましては周辺に私立幼稚園も立地しておりまして、それらによってただいま東二番丁幼稚園が提供しておりますものと同等の幼児教育に関する基盤は提供できるものと認識をいたしておりまして、したがいまして、それらが直接的に仙台市の中心部の経済状況に大きな影響を与えるという認識は、御提案の時点で仙台市教育委員会は持っていないというお話を申し上げたところでございます。
284: ◯鈴木繁雄委員 教育施設が直接的に、中心部の商店街の衰退に影響するわけはないんですよ。これは間接的なんです。このような直接というのは商業施設そのものなんですから、教育施設、幼稚園がということは間接的にまちを構成する一つの大きなインフラであると同時に、それはメンタルな部分での、大きなソフトの部分での要素なんですね。ですからその辺も十分御認識をしていただきたいというふうに思います。
それから、ことしの8月4日でございますけれども、存続を願う会の方々が3万1000名の署名を持って、県議会議長さんも御同席をしていただきましたけれども、市長に陳情させていただきました。この中で市長は重く受けとめると。皆さんと協議を重ね、納得のいく最善の方策を見出したいと。そして教育長は教育委員会だけでは判断できない問題提起もあり、話し合いを続けたいということで、東二番丁幼稚園の存廃問題というものは、数字だけであらわしたもの、私は数字のことで今申し上げました。単純に5800万円の赤字だという説明は不十分じゃないかということもお話しさせていただきました。そして幸いなことに市長も教育長も、もっと十分考えながら、そしてまた住民の方々、関係者の方々とよくお話し合いをする中で納得をいただきながらこの問題は進めさせていただくというふうに私は受けとめました。
東二番丁幼稚園の存廃問題は、当初1万名の署名を集めようという会の申し出がありましたけれども、何と署名運動しましたら、わずか2週間で3万名もの署名が。そしてまた私も中心部の商店街の皆様方、そういう方々とお会いする機会が非常に多いわけでございますけれども、その中で今一番話題になっておるのが東二番丁幼稚園というものを何とか残してほしいという訴えがございます。これは私、ある意味ではいろいろなことを含んでいると思います。これは今後お話し合いをする中、そしてまた、私どもと十分お話をしていただいて、いろいろな考察というものがございますので、単純に数字だけの出入りだけで見るものではないということも私はきょうお訴えをしたかったわけです。
この存廃運動、そして3万名の署名、これは重く受けとめるという市長のお言葉もございますけれども、教育委員会としてはこういうものをどのように今後お進めになる、また、どうやって御説明になっていくおつもりなのかまずお伺いをさせていただきます。
285: ◯教育長 8月に皆様においでいただきました際にも申し上げましたとおり、この課題について多様な御意見をいただいてございます。私ども、あの際には御回答を申し上げた段階でございましたが、その後保護者の皆様から、また10月に向けてお話し合いをしたいというようなお申し出も受けております。やはりお話し合いを重ねていく中で、私どものお互いの意見をすり合わせ、あるべき方向を見出していくという努力を教育委員会としては精いっぱい続けてまいると、そのような考えでございます。
286: ◯鈴木繁雄委員 市長、ちょっと時間を気にしながらの論戦になりましたので、十分なかなか申し上げられない部分もございました。
まず第一に、物事を経営するにはコストというものは非常に私は重要だと思います。一般の私立幼稚園がおおむね園児一人頭約50万円、その園によってもかなり違うとは思いますけれども、おおむねそんなところじゃないかと思うんですね。そしてさまざまな補助金を御理解をいただいて運営をさせていただいていると。仙台市からも就園奨励金と。これは大変手厚く皆様方に御配慮をいただいている。これは関係者、我が議員の皆様方も大変この件については長年の努力で仙台市もしっかりと対応していただいております。
しかし、残念ながら仙台市の公的なところは80万円を超すコスト。そして支出の面においても教員の固定化、そしてまた20数年からの30年も過ぎるというような状況、本当の意味でこの幼稚園をしっかりと運営をし、そして存続、将来に向けて良質な幼稚園の再生産に向けてきっちりと考察と努力がされたかということでは私はいささかの問題もあったんじゃないかと思います。もう一度これをしっかり検証していただいて、市としても責任を持ってこれに御対応いただきたいというふうに思います。この件につきまして市長のお話、御答弁をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
287: ◯市長 委員の大変長年にわたる経営者としての御経験を踏まえた御見識をお伺い、この東二番丁幼稚園の問題につきましてさまざまな問題、これまでの経緯などについて多くを学ばせていただきました。
委員御指摘のとおり、8月4日に約3万人の方の御署名を御持参されまして、同幼稚園の存続を願っておられる皆様方から直接お話を伺った次第でございます。その際にも申し上げたことでございますが、この問題についてできる限り関係者の皆様が御納得のいくような最善の方策を見出すよう、仙台市の側としても最大の努力をいたしたいと思っておりますし、十分な時間をかけてこの問題の解決についてさらに検討を進めてまいりたいと思っておりますし、その旨を教育長にも指示をしたところでございます。
288: ◯鈴木繁雄委員 私も幼稚園の設置者であります。東二番丁幼稚園がリーダーシップを持ってしっかりと存続することをお願いします。
289: ◯委員長 お諮りいたします。本日の審査はこの程度にとどめ、残余はあす行いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
290: ◯委員長 御異議なしと認めます。
なお、あすは午後1時より開会いたします。
本日はこれをもって散会いたします。...